こんにちは。うつ病ブロガーの大ちゃんです。
僕は現在、うつ病療養中の絶賛真っ最中なのですが、持病と言うとうつ病に加え、「アトピー性皮膚炎」という皮膚の病気を先天的に、つまり、生まれたときから持っているんです。
最近、うつ病の症状よりも、このアトピーのせいで眠れない日が続き、こうやってブログを書くどころか、日常生活を送るのもやっとの日がしばらく続いています。
そんな辛い日々を過ごす中で僕は、
「何でうつ病は障害認定される場合もあるのにアトピーって障害認定されないんだろう??」
とか、
「正直、うつ病よりも重症のアトピーの時の方がしんどいし辛いものだよね」
って思えてきたんですよね。
誤解を招くとアレなので一応断っておきますが、僕はうつ病も経験しているので、うつ病ももちろん間違いなく辛いものです。
しかし、どちらの病気も経験のある僕は、
「やっぱりアトピーっていう病気もうつ病と同じく障害認定されてもおかしくないレベルの病気だよな」
と強く思うわけなんです。
今回は少し愚痴っぽい記事になってしまうかもしれませんが、アトピー歴26年の僕がアトピーをめぐる世間の認識から当事者として実際に生じる様々な辛さやしんどさ、苦しみを全部吐露して書き殴っていきたいと思います。
アトピーは「知っているようで知らない」実に奇妙な病気である
あなたもこの記事を開いたということは「アトピー」という言葉も、それが皮膚の疾患であるということも知っていると思う。
ネットでちょっと検索してみると、
アトピーという名称の由来は、「特定されていない」「奇妙な」という意味のギリシャ語「アトポス」(atopos – a=否定、topos=由来)であり、1923年にアーサー・フェルナンデス・コカ とロバート・アンダーソン・クックによって命名された。(出典:アトピー性皮膚炎 – Wikipedia)
と、出てきて、アトピーっていう言葉は「特定不明な」「奇妙な」という語源から来ているようだ。
このように、そもそも病名からも世間が「アトピー」っていう病気をどう認識しているかなんとなく分かってくる。
具体的に言うと、
「原因はよくわかっていない」
「どうすれば完治するのかもよくわからない」
「その痒みの程度や辛さもなっていない人にはよく分からない」
かといって、
「アトピー自体で命を落とすことはないし、」
「薬を塗っておけばまあどうにかなるだろうし、」
「普通に日常生活が送れるんだったら別に大丈夫じゃないの?」
という風に、僕の主観だが、たぶんどんな立場の人であっても、アトピーを罹患している当事者以外の人は、アトピーは「知っているようで知らないよくわからない皮膚の病気」というような認識であろうと感じている。
まさに「腫物には触るな」「臭い物には蓋をしろ」といわんばかりの世間の共通した認識が、アトピーという病気の理解が進まず、障害認定も一向にされない一つの要因になっているのではと僕は思う。
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だが、アトピーに苦しんできて早26年。
症状はひどくなったり治まったりを繰り返してきてここまできたが、これまで未だに「これで完治する」といったような画期的な治療法に僕は出会っていない。
皮膚科に行っても症状がひどくなったらステロイド剤を処方されるだけだし、現段階では「アトピーに効く特効薬」というものはこの世に存在していない。
ここはうつ病とも似ているところだが、うつ病はこれまでに「寛解した」「社会復帰できた」という例がいくつも挙がっている。
これは、年月こそはかかるものの、うつ病は治る可能性が十分にある病気だということを意味している。
実際に僕もうつ病と診断されて3年が経ったが、症状は徐々にゆっくりであるが、確実に回復してきていることを実感している。
しかしアトピーはそうはいかない。
「アトピーが完全に治った」という話はこれまで聞いたことないし、前述したように特効薬は現時点ではないので、たぶんこれからも僕は墓場までこのアトピーちゃんとご一緒しないといけないはず。
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と、ここで、そんなあいまいな病気であることをいいことに、利潤のみを追求する企業は、アトピー患者たちのつらさや苦しみに付け込んで、様々なビジネス、通称「アトピービジネス」を企てる。
例えば、
「水を水道水から変えると治る!」
「とにかく野菜と果物をたくさん食べれば治る!!」
「このサプリを飲んだら絶対に治る!!!」
など、どれもがみんな「まがい物」、要するに「詐欺」であるわけで。
そんなものに限って広告の一番隅っこの端の部分に小さく注意事項として、「※効用には個人差があります。」としれっと書いている。
だって、そもそもそんなもんで治っていたら僕もこれまでこんなに苦しんではいないだろうし、きっとノベール賞レベルの発明ものになるので、そんな詐欺めいた広告を打たなくても、すでに世界中で大きな話題になっているはず。
これが誰もが知る大手の食品メーカーや飲料メーカー、そして大手健康食品や化粧品メーカーでさえも各社こぞって新聞や雑誌の紙面いっぱいにでかでかとそういう広告を出しているものだから、僕はものすごい嫌悪感がすると同時に辟易してしまう。
そんな弱みと苦しみ、そして患者の「治したい!」「楽になりたい!」「普通の生活を送りたい!」という藁にもすがる思いに付け込み、アトピー患者をさらに経済的に追い込む「ギリギリ詐欺にならないグレーゾーン詐欺」を企むやつらは今すぐ滅んでいただきたい。
いや、滅びる前に実際にアトピーになって寿命を迎えるまで生活していただきたい。
アトピーは確実に「社会的に排除・抹殺される病気である」
ここまでは単なる愚痴みたいになってしまったが、僕は今回のこの記事でこれだけは言いたい。
それは、アトピーは確実に「社会的に排除・抹殺される病気である」ということ。
以下はすべて僕の経験談である。
- 痒みによって眠れなくなり睡眠不足に陥る。
- 睡眠不足からくるストレス・眠気・体力の低下・集中力の低下→仕事や家事、学業に大きな影響
- 眠っていても痒くて無意識に掻きむしっているので、朝起きると爪や衣服、布団などが血だらけになっている。
- それらを見て毎朝、掻いてしまった罪悪感に苛まれる。
- 冬場に暖房がよく効いた部屋やお店に入る・温かいお風呂に入る・布団に入るなどすると、体温が上がってすぐ痒くなる。→だから暖かいお店に長時間いることはできないし、どんなに寒くても我慢しなければならない。
- その痒みは虫さされのようなものでもなければ、一時的なものでもなく、まるで全身を虫が這っているようななんとも言えない非常に不快な痒み。→だから健康な人が言う蚊などの虫さされの痒みがどのような痒みなのか分からない。
- 海やプールには入れないので海では浜辺で砂遊びしかできず、学校のプールの授業はいつも見学。
- お風呂に入ると症状が重い時は垢が浮かんでくるので、温泉や公衆銭湯には行けない。
- 顔などの場合、皮膚がはがれているなどのケロイド状態や、その見た目の悪さによって周囲から怪訝な目線を向けられる。
- そんな目線があるから外出時にどんなに痒くなっても人前で思いきっり掻くことはできない。
- だから腕や足がひどい時はどんなに暑くても長袖を着なければいけない。
- それは自分のためではなく、自分が存在していることで常に「周りを不快にしていないかな?」と他人の目線を気にしすぎてしまうため。
- 皮膚がフケとして剥がれ落ちるので、それが不潔だと思われ、いじめにも発展。
- そんな状況であっても学校や会社からは健常者と同じ環境(温度、服装、労働時間・勉強時間など)を求められる。
- それに適応できなければ「甘えだ」「落ちこぼれだ」「おかしい」などと判断されてしまう。
- 健常者と比べ、そもそも皮膚科への通院や薬の処方にお金がかかる。
- しかもその医療費は普通の風邪をひいた時やけがをした時に病院を受診するときと同じ負担割合。
- もちろん障害認定もされないので生活費どころか治療費も全て自費。
- 毎日薬を塗り続けなればいけない。
- 春~秋の間は紫外線対策も万全にしないと普通に外出もできない。
- 若くで白内障や網膜剥離を併発する可能性が高い。→皮膚科の他に眼科にも通院しなければいかなくなって医療費がさらにのしかかってくる。(実際に白内障と診断されて症状は現在進行系で進行中。いずれは目の水晶体を人工レンズに変える手術をしなければならない。)
- 仕事どころか遊ぶときでさえもアトピーを気にしてしまうため、心から楽しんで遊ぶことが難しい。(海やプールに誘われても行けないし、激しい運動は汗をかくことで痒くなってしまう)
- アトピー以外の人は基本的にこれらの苦しみが理解できない。
- だから「別に大丈夫じゃねーの?」と言われてしまう。←「いや、全然大丈夫じゃねーよ!!」
これらが症状の強弱はあれど、24時間365日、常に存在しているとすれば正直どう思う?
「日常生活を普通に送ることができるの?」
いや、
「そもそも平気でいられるの?」
っていうこと。
最後の項目は思わず取り乱して書いてしまったが、正直、
「こんな状況だとやっぱりうつ病にもなるわな。いやいや、うつにならない方がおかしいよな。」
とさえ思ってしまうレベル。
上記の経験談で挙げたように、僕をはじめとしたアトピー患者は、「身体的」だけではなく、「経済的」そして「社会的」にも大きなハンデを抱えて生きている。
でもこれだけ書いてもアトピー経験者以外はたとえ家族であっても完全に理解はできないので、いくら相談しても悩みや苦しみは分からないし、結局は、アトピーではない健常者に相談したところで、
「死ぬような病気じゃないんだから、ねっ、大丈夫でしょ、そんなことで落ち込まずに元気だしなよ 笑」
っていう軽い感じで済まされてしまう。
だが、今回、僕が強調したいのは、そんな「人生なんとかなる」的な楽観的な話ではなく、アトピーは確実に社会から排除され、抹殺される可能性さえもある恐ろしい病気でもあるという話。
こんな状況が辛くて苦しくてどうしようもなくて、命を自ら投げ出す人はいっぱいいる。
そりゃあ現段階では画期的な治療法もなく、死ぬまで終わりのない闘いを強いられているものだから。
例えば、インフルエンザを1年中365日、常に患ったまま、おまけに治る見込みもなく「薬だけでなんとか生活しなさい!」と言われて、健常者と同じ生活をずっと死ぬまで続けられる人っていると思う?
アトピーが、特に重症の時っていうのは、まさにこれと大差はないと僕は思うし、まさに「生き地獄」であるわけで。
アトピー以上に理不尽なことはない
僕はこれまで、アトピー以外にも虐待やイジメ、さらには違法労働、そしてご存知のとおり、うつ病など、様々な理不尽を経験して生きてきたが、これまでの人生において、アトピー以上の理不尽さを感じたことはないと思う。
ただ他の人と同じようにこの世に生を受けて産まれてきただけなのに、自分だけ先天的にデフォルトでアトピーを患っていて、その後は死ぬまで一生付き合っていかなければならない。
さらに、今の社会ではアトピーであっても一切関係なく、健常者と同じ生活を強いられる。
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そうはいっても、たしかに、もともと「手足がない」「目が見えない」など、アトピー以外でもハンデを持って生まれてきた人もいて、特にそのような身体障害者の方であれば僕が何を言っても、
「アトピーなんて大した問題ではない」
と思う人もいるであろう。
だけど、僕が絶対におかしいと思うのは、手足がなかったり目が見えなかったりすると障害者として認定され、いろいろな社会保障制度を受けることができるけれど、アトピーについてはそんな社会保障は一切ないどころか、逆に健常者と同じく普通に同じ税率である税金を納めなければいけない立場であること。
アトピー患者は社会の淵の、本当にギリギリのところで生きているのに、健常者と同じ水準で生きなければいけない。
僕はどうもこれが理解できない。
世間は「助け合いが必要だ」とか「弱者には優しく」なんて言うけれど、じゃあそうであるならば、なぜアトピー患者にせめて治療費の給付だけでも行わないのか、僕ははなはだ疑問に思ってここまで書いてきたわけで。
自分が悪いんだったらまだわかるけど、この世に産まれてきた日に一生それを背負って生きていくことが決まっていることっていうのは自分が悪いとは到底思えない。
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むろん、アトピーであることによって、同じアトピーの人の気持ちが分かったり、弱い立場の人の辛さや苦しみが分かるようになるなど、アトピーじゃないと得られなかった部分はある。
だけど、上記で書いてきたとおり、そんな綺麗事を言っているほどアトピーは軽い病気ではないし、今、この時点でも、うつ病と同じように、死ぬまで終わらない痒みと闘い続けるのに疲れて、本当に「死にたい」「楽になりたい」と思っている人はたくさんいるわけで。
街中でも、電車に乗っていても、自分よりアトピーの症状が重い人もよく見かけ、そんな人を見るたびに同じ患者として「辛いだろうなぁ」「どうにかしてあげたいなあ」と思うが、金も権力もない僕には現状、こうやって記事にして訴えることしかできないのがどうしても歯がゆい。
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最後に、拙文だが、身体的な症状は無理でも、せめて経済的、社会的なハンデを埋めることができたら、僕と同じアトピーで苦しんでいる人も少しは楽になれると強く思うため、アトピーが障害認定されるためにこの記事が少しでも後押しできればと思い、ここで筆を置くことにする。
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