こんにちは。奈良のブロガー大ちゃんです。
あなたは「奈良」と聞くと何をイメージしますか?
東大寺の大仏をはじめ、寺社仏閣や古墳などを思い浮かべた方もいらっしゃると思いますが、なんと言っても「奈良と言えば鹿」なのではないでしょうか。
今回の記事では、

奈良にはなぜ鹿がたくさんいるの?

そもそもなんで犬でも猫でも猿でもなくて鹿なの??
という方のために、奈良で生まれ奈良で20年以上暮らしている奈良県民の僕がその疑問にお答えしようと思います。
奈良に鹿がたくさんいるのはなぜ?
奈良公園に到着すると鹿。鹿。鹿。
初めて奈良公園に来られた方はそこら辺を歩いていたり座っていたりする圧倒的な鹿の数に驚く人も多いです。
(僕は子どもの頃から近くで鹿が徘徊しているのに慣れているので何とも思いませんが…)
では、なぜ、奈良公園には鹿がこんなにもたくさんいるのでしょうか?
話は奈良時代までさかのぼります。
実は奈良公園にいる鹿は神様の使いなのです。
というのも、奈良公園の中には世界遺産にも登録されている春日大社という大きな神社があります。
その春日大社には、武甕槌命(たけみかづちのかみ)という神様が祀られています。
奈良に都ができた頃、奈良時代の貴族、藤原氏の氏神として、神様を鹿島神宮(現在の茨城県)から春日大社の裏にある御笠山に移して祀りました。
この時、その神様である武甕槌命は、白い鹿に乗って鹿島から奈良にやって来たという言い伝えがあります。
ただ、これは余談になりますが、僕の心の中では、正直、

マジかよ。あくまで言い伝えであって本当かどうかは誰もわからない。だから証拠もないし、正直半信半疑といったところ。いやいや、ホントは馬だったのではないか・・・そもそもだいたい人間が鹿なんかに乗れるわけないし。。
といった感じです。
ですが、奈良では昔からこのような言い伝えにより、
「奈良の鹿=神様の使い。」
とされています。
そのため奈良では鹿を大切にするようになったわけです。
奈良と鹿の関係
鹿を殺すと死刑?
このような伝説から奈良では鹿はとても大切に保護されてきました。
江戸時代には鹿を殺してしまうと死刑になったという話もあります。
ある日、興福寺の近くに住んでいた少年が字の練習をしていると、鹿がやって来て半紙を食べてしまいました。
その少年は鹿を追い払おうと文鎮を鹿に投げましたが、打ち所が悪くその鹿は死んでしまいました。
その後少年は「神様の使いを殺した罰」により処刑されたと言われます。
そのような事例からか自分が処刑されないように、奈良では毎朝、誰よりも早く起きて家の前に鹿が死んでいないかチェックするようになりました。
もし、自分の家の前に鹿が死んでいると処刑されてしまうので、鹿が倒れていた時は隣の家の前に鹿を運んで行ったと言います。
そのため、奈良に住む人々は他の地域の人より早起きになったとも言われています。
奈良の鹿の歴史
このように、江戸時代は鹿を殺すと死刑になったほど保護されていましたが、明治以降は保護が手薄となり太平洋戦争の頃は食糧を確保するため奈良の鹿も狩猟の対象となった時期もあります。
そのため、一時期は鹿の頭数は2ケタ台にまで減り、絶滅の危機もありました。
しかし、その後は国の天然記念物にも指定され、奈良の鹿は再び保護されるようになりました。
現在では「奈良の鹿愛護会」という団体が、ケガをした鹿の治療を行うなどの保護活動を行っています。
その活動もあり、今では約1,200頭の鹿たちが奈良公園で暮らしています。
鹿は誰のもの?
これまでの説明でなぜ奈良に鹿がたくさんいるのかについてはお分かり頂けたことかと思いますが、では、奈良公園にいる鹿はいったい誰のものなのでしょうか?
先ほど国の天然記念物と書いたので、国や県のものだと思われるかもしれませんが、実は奈良の鹿は野生なんです。
したがって、動物園のように、どこかの団体が所有しているわけではないのです。
街中にいるカラスやスズメ、野良猫などと同じで、あくまで野生動物なのです。
そのため、あなたが鹿から被害を受け、ケガをしたとしても、鹿の所有権を誰かが持っているわけではないので、その責任をとってもらうことはできません。
また、車で鹿を轢いてしまった場合、

国の天然記念物だから逮捕や罰金などの刑罰があるんじゃないか
と思われている方もいらっしゃると思いますが、現在は鹿を過失で轢いてしまった場合でも江戸時代のように逮捕や罰金等の刑罰に科されることはありません。
もちろん、鹿を故意に傷つけることは罪になりますが、わざとでなければ罰せられることはありません。
万が一、奈良公園内の道路を自動車で走っていて鹿を傷つけてしまった場合は、すみやかに鹿の愛護会や最寄りの警察署に連絡して、鹿の命を守るようにしてください。
鹿とのふれあい方
奈良公園の鹿はこれまで見てきた歴史にもあるように人間とのかかわりがとても深いです。
本来、鹿はとても警戒心が強く、人にはなつきませんが、奈良の鹿は人間に保護されてきた経緯もあって警戒心はほとんどありません。
しかし、あくまでも奈良公園の鹿は野生生物ですので、自分の命を守るため、時には攻撃してくる場合もあります。
奈良公園内には、鹿に注意するように呼びかける看板が至るところに設置されています。
この看板には鹿と触れ合う際の注意点が書いてあり、鹿は主に「かむ」、「たたく」、「突く」、「突進」の4つの技で人間を攻撃してくる場合があります。
鹿と触れ合う際は、ある程度鹿との距離を取ったり、鹿の様子を観察したりするなどして、鹿に攻撃されてケガをしないようにしてください。
特に観光シーズンと重なる5月から7月の出産の時期は雌鹿が、9月から11月の恋愛の時期は雄鹿の性格が荒くなるので、高齢の方や小さなお子さん連れの方は特に注意するようにしてください。
最後に
今回は「なぜ奈良に鹿がたくさんいるのか?」、「そもそもなぜ鹿なのか?」について説明してみました。
神の使いとして長年大切にされてきた奈良の鹿。
僕は親しみを込めて「鹿ちゃん」とか「シーカ」とか適当に呼んでいますが、実は神の使いなのです。
奈良は人と鹿が共存している世界で唯一の場所です。
奈良を訪れる際はお寺や神社の観光やお土産選びだけでなく、鹿と触れ合うことでより楽しい思い出になることと思います。
地元民の僕としてはこれを読んでいるあなたもぜひ奈良に遊びに来ていただけたらなあと思います。
鹿さんもあなたを待っている…はずです。
以上、奈良にはなぜ鹿がいるのかについて、奈良のブロガーの大ちゃんがお送りしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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