こんにちは。大ちゃんです。
経済学の用語の中に「収穫逓減の法則」という言葉があります。
ただ単に「収穫逓減」という場合もあり、このページにたどり着いた方は読み方もご存じだと思いますが、「しゅうかくていげん」と読みます。
収穫逓減の法則とは、生産要素を追加で投入していくときに、投入一単位当たりの収穫量がだんだん減っていくことを言います。
この説明だけだと分かりにくいと思いますが、例えば夏の暑いときに仕事が終わって喉がカラカラの状態で口に入れるビールはとても美味しく感じます。
そのすぐ後に2杯目のビールを飲むときも、確かにビールの味は美味しんだけれども、1杯目に飲んだビールより美味しいと感じることはまずないと思います。
そして3杯目、4杯目と飲んで、5杯目くらいになると酔っぱらったこともあってか「もうビールは要らない」となります。
収穫逓減とは簡単に説明すると、このビールを飲んだ時の満足度のことなんですけど、今回はもう少し理論的に説明していくことにします。
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収穫逓減の法則
例えば、ここに畑で野菜を作っている農家がいるとします。
その農家が野菜の収穫量をもっと増やしたいと考えているとして、畑の土地の面積をどんどん増やしていくことを考えてみます。
その農家は、最初に増やす土地は日当たりも良くて土壌も肥沃(ひよく)な土地に畑を作ります。
そのため、最初に作る畑からの収穫量は、畑の面積を1単位増やせば、野菜の収穫量も1単位増えると考えることができます。
そのようにしてどんどん畑を増やしていくと、それに比例して野菜の収穫量もどんどん増えていくのではと考えることもできますが、畑を増やしていく中で、最初に作ったような日当たりも良く土も良く肥えた土地はだんだんと少なくなっていきます。
すると、日当たりが悪く、土もあまり肥えていない土地に畑を作っていくことになります。
そのような土地の場合、畑の面積を1単位増やしても収穫量は0.5単位しか増えないかもしれなません。
このように、追加の生産要素(この場合は土地)を増やせば増やすほど、1単位当たりに得られる収穫量はだんだん減っていく傾向があることを収穫逓減の法則と言います。
世の中は収穫逓減の法則で溢れている?
冒頭に挙げたビールの例もそうですが、僕たちが生活するこの世界には収穫逓減の法則が溢れています。
例えば、あなたが学生で次の定期テストでいい点を取りたいと思って勉強する時に、夜遅くまで勉強していてもいい点は取れないかもしれません。
ただ単に勉強時間を2倍にしたからといって、成績も2倍になるとは限らないからです。
この勉強時間を2倍にしても成績は2倍にならないという現象を収穫逓減の法則は表しています。
そうであるならば勉強時間を2倍に増やすよりも、時間を決めて計画的にメリハリをつけて勉強した方がいいかもしれません。
また、最近社会問題にもなっている長時間労働もそうです。
長時間働いたからといって必ずしも仕事の成果が上がるということはありません。
例えば営業で外周りをしている人で、1件でも多くの契約を取ろうとしている人がいて、朝は元気いっぱいで1時間に1件契約が取れたとします。
でも午後になってお昼ご飯を食べた後は眠気や午前中の疲れも出てきて思うように契約が取れなくなり、夕方まで働いても1件しか契約を取ることができなかったとします。
それでも多くの人は雑用が残っているからとか、他の人もまだ働いているからなどと理由をつけて残業をしようとします。
するとその残業のせいでその日の疲れが取れないため、それが明日にも影響して次の日は全然契約が取れなくなってしまうかもしれません。
この場合、残業して働くのではなく、この日の仕事はほどほどにして明日の成果のために定時で帰って休んだ方が効率はいいのです。
ここで挙げた例はほんの一例ですが、このように収穫逓減の法則で説明できる事象は世の中にはたくさんあり、これを知って仕事や勉強、家事等の実生活に応用することで物事をより効率的にこなすことができる場合もあります。
あなたも身の回りの「収穫逓減の法則」を探してみてはいかがでしょうか。
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