こんにちは。大ちゃんです。
今回はGDP(国内総生産)について経済学部卒の僕ができるだけわかりやすく解説してみようと思います。
GDPとは
テレビや新聞などのニュースでもよく聞く「GDP」。
国内総生産(こくないそうせいさん、英:Gross Domestic Product、GDP)とは、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額のことである。
と定義されていますが、これだけ聞いてもちっともわからないですよね。
(ちなみに英語は「グロス・ドメスティック・プロダクト」と読みます。)
そこで今回の記事ではGDPとは何かを例を用いて簡単に説明していこうと思います。
GDPは国の経済力を表す
以下の表は各国の国内総生産のランキング上位10位の国について1990年から2015年までの5年ごとのGDPの推移を表したものです。
(単位は10億ドル)
これを見ると1位がアメリカ、2位が中国、そして3位が日本となっています。
この数値が大きければ大きいほどその国が大きな経済力を持っていると言えます。
アメリカが世界第一位の経済大国と言われる所以はここにあります。
ちなみに日本は2000年まではアメリカに次いで2位でしたが、2010年には中国に抜かれ3位となっています。
このようにGDPは国の経済力を表す指標として用いられます。
付加価値とは
GDPが何を表すのかはお分かり頂けたと思いますが、ではここからはGDPが何を指しているのか見ていこうと思います。
GDPの定義に戻ると「一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額」とあります。
簡単に言うとGDPとは国全体が生み出している利益のことを指します。
そして付加価値とは企業などの生産者が生産活動によって作り出した生産額から、その企業などの生産者が購入した原材料や燃料などの中間投入物を差し引いたものを表します。
付加価値の計算
とは言ったものの、生産額から中間投入物を差し引いたものと言われてもピンとこないと思いますので、ここからはその付加価値がどのように発生するのか例を用いて説明していきます。
ここでは分かりやすいようにある架空の島を考えます。
「夢民島」という架空の島があります。
この島には農家のAくん、八百屋のBくん、レストランを経営しているCくんしか住んでいないとします。
そしてこの島でしか栽培できない野菜を使った料理を食べに行こうとあなたがCくんの経営しているレストランに食べに夢民島へ行ったとしましょう。
農家であるAくんは作った野菜を1個100円で八百屋であるBくんに売って生活しています。
八百屋であるBくんは農家のAくんから1個100円で仕入れた野菜を1個200円でレストランを経営しているCくんに売って生活しています。
レストランを経営しているCくんは1個200円で仕入れた野菜を調理し1つ300円でお客さんとしてきたあなたに売って生活しています。
ここで3人の利益をそれぞれみていくことにします。
利益は売り上げ-コストで求めることができます。
農家のAくんの売り上げはBくんに野菜を売った分の100円です。野菜を作るのにかかるコストは0円です。
従ってAくんの利益は100-0で100円です。
八百屋のBくんの売り上げは200円ですが、野菜を農家のAくんから仕入れるために100円のコストがかかっています。
従ってBくんの利益は200-100で100円となります。
レストランを経営しているCくんの売り上げは300円ですが、食材を八百屋のBくんから仕入れるために200円のコストがかかっています。
従ってCくんの利益は300-200で100円となります。
この3人が暮らしている島の利益はAくんの100円+Bくんの100円+Cくんの100円の合計300円です。
この例ではAくん、Bくん、Cくんがそれぞれ100円の付加価値を生み出していることとなります。
つまりこの場合、3人の利益の合計である300円がこの島が生み出している付加価値=GDPとなります。
最終財と中間財
世の中に流通している商品は最終財と中間財に大別することができます。
最終財とはその国の中でそれ以上は加工されない商品のことで上記の例ではCくんが作る料理がこれに当たります。
一方、他の商品の一部や原料となる商品のことを中間財と呼び、上記の例では野菜がこれにあたります。
上記の例の場合、Aくんは野菜を生産するのにコストはかかっていませんが、Bくん、Cくんは食材を仕入れたり料理を作ったりするためのコストがかかっています。
このコストのことを中間投入と呼び、最終的に出来上がった物(今回の例の場合は料理)が最終財となります。
なお付加価値には中間投入は含まれません。
またGDPは最終財の生産総額と同じ値になります。
(今回の例では料理の価格が付加価値と同じ値になっています。)
まとめ
今回はGDPとは何か、またGDPはどのように生み出されるのかを解説してみました。
私たちが暮らす社会では上記に挙げたような例が企業や個人の生産活動によりあらゆるところで毎日繰り返され価値を生み出していっています。
その価値のことを付加価値と呼び、この付加価値が国のGDPを構成しています。
よってGDP(国内総生産)とは国内で生み出された付加価値の総額と定義されているのです。
長くなりましたがこれでGDPとは何か少しでもお分かり頂けたら嬉しいです。
もし分かりにくい点がありましたらより分かりやすく編集しますのでご意見を頂けたら幸いです。
以上、経済学部卒業の大ちゃんがお送りしました。
コメント