4か月で会社を退職した僕が過酷なブラック新人研修について思うこと

ブラック研修

こんにちは。うつ病ブロガーのだいだいです。

この記事では先日(2016年4月)からインターネット上で話題となっている過酷で洗脳じみた新人研修について、ブラック企業でうつ病になった経験のある僕が思うことを書きたいと思います。

目次

新人研修は外部委託が当たり前?

2016年4月5日(火)放送の『あさチャン』(TBS系)、2016年4月6日(水)放送の『ちちんぷいぷい』(MBS毎日放送)にて、過酷な新人研修がテレビで取り上げられて話題となっていました。

参考新人研修で講師が「皆さんの会社は採用ミス」と言い放ち非難殺到 「働く気が失せる」「採用ミスは人事の責任」|キャリコネニュース

この研修を取材した模様はインターネット上にも拡散し、上の記事のように非難が殺到し炎上しています。

『あさチャン』では「株式会社 心」という企業、『ちちんぷいぷい』では「株式会社 アイウィル」という会社の新人研修の様子が紹介されていました。

僕はテレビの放送を見ていなかったのですが、ネット上で話題となっていたので状況はすぐに読み取ることができました。

実は上記の記事にもあるように最近では研修を外部の専門の企業に任せている会社も増えてきています。

実際、僕が昨年入社した会社も初めの新入社員研修は外部の企業の講師による研修でした。

いわゆる研修の「アウトソーシング」(外部委託)です。 いや、もうここで違和感を感じるのは僕だけでしょうか?

自社の社員を他の企業に預ける会社なんて新入社員を一から育てるという意識は一切ないと僕は思います。 要するに使い切りです。

「いつ辞めてもらっても代わりの人はいくらでもいる。」

そんな会社は完全なブラック企業だと僕は思います。

「社畜」に洗脳する研修内容

炎上した一番の理由はこれらの会社の研修内容だと思います。 2泊3日の山奥での泊りがけの研修。 もちろん携帯電話も取り上げられほぼ自由なし。 そして、

  • 「社長の名前が書けなかったら説教」
  • 「大声で挨拶をしたり社訓を叫ぶ」
  • 「朝早くからラジオ体操」

等々、はっきり言ってマジで気持ち悪いです。

このように新入社員の自尊心をないものとし、社畜化する研修は自分が研修を受ける立場でなくても明らかに見ていて気持ちの良いものではないです。

テレビで紹介されたように新入社員の女の子が泣くのも無理はありません。

というかこんな研修は無理があるどころかパワハラレベルです。

研修担当者は「人が一人でできることはほとんどない。チームワーク・連帯感、そういったものを非常に重要視しています」と語っていたようですが、洗脳まがい、いや、洗脳といっても過言ではない研修の環境は、おそらく刑務所の中の方がマシな感じだと僕は思います。

上記の2つの会社は人材育成会社などと謳っていますが、僕はこの中身は完全にブラック企業育成会社、そして社畜育成会社だと思います。

たしかに社会人としてのマナーや規律などは教える必要があると思います。

しかし上記に挙げたような明らかに高圧的でブラックな研修で何を学べばよいのでしょうか。

新入社員に対するこのような研修方法は、幼い子どもを誘拐・監禁し洗脳させていた事件の犯人の手口と同じだと思うのは僕だけでしょうか。

社員を人として見ていない

このようなブラックな新人研修が蔓延する理由に何点か考えられる事項があると思いますが、上記に挙げた参考記事にもあるように昨今の経済不況で企業はすぐに使える即戦力となる人材を必要としているという背景が読み取れます。

そのため人材を人ではなくただのモノとして扱う企業が増えてきているのではないでしょうか。

これがブラック企業を世の中にのさばらせる一つの理由となっているように思います。

会社は社員を精神的に追い詰めれば仕事をしっかりしてくれると思っているのでしょうか。

こんな根性論がまかり通っている日本の社会を僕はおかしいと声を大にして言いたいです。

個人的な意見ですが僕はこのような意味もない過酷な研修を受けるのなら賃金を上げてくれた方がよっぽどやる気が出ます

キレイごとを抜きにしても夢も希望もない社会にしたくない

入社してすぐにこのような研修を受けて「よーし、これから働くぞー」と意気込む新入社員の方はどれぐらいいるのでしょうか。

そしてこの研修の様子を見て働くってことはとても楽しくて気持ちのいいものなんだなあと思う学生や子どもは果たしているのでしょうか。

このような研修を受けるとまともな人間なら逆に働く意欲を失ってしまうのではないでしょうか。

たしかに仕事が楽しくて仕方ないと思う方もいらっしゃるでしょう。

しかしこれからの日本を担っていくのは今の若者や子どもたちです。

その若者や子どもたちに「働く」ってことは辛いことだけではなく、楽しいこともあって、なにより価値を提供して人を喜ばせることでお互いに気持ちが良くなることなんだよとまず教えるのが大人の役割なのではないかと僕は思います。

世代間連鎖の危惧

僕がもう一つ危惧することはこのような研修を受けた新入社員が上司となって将来新人に教える立場となった時にこの時の研修の話を持ち出し「自分たちの時代はこんなに厳しかったのだ。だから新人たちも厳しい研修には耐えろ。」という大人が出てくることです。

いわゆる負の「世代間連鎖」です。

参考記事には、『「辞めないで残る根性を身に付けてほしいということで、ああいう研修をやっているのかなという風に思います」と一定の理解を示していた。』とありますが、万が一、このような過酷な洗脳研修を普通だと考えるようになる人が増えるととても恐ろしく感じます。

日本のこのような悪しき習慣は僕たちの世代で何とか食い止めなければならないのです。

最後に【ブラック企業からは直ちに抜け出そう!】

新入社員の方、少しでも自分が勤めている会社におかしいと思う点があれば僕はすぐにその会社を辞めるように勧めます。

幸い僕が受けた新人研修は上記のような過酷な研修ではなかったのですが、僕はいつのまにか会社に洗脳され、会社が指示する命令は常識で絶対に従わなければならないものだと思っていました。

しかし頑張り続けた結果、心身ともに体調を崩しうつ病になり人生の半年ちょっとを無駄にしてしまうことになりました。

僕は今もうつ病の後遺症と闘いながらなんとか生きていますが、今の時代ひとつの会社にしがみつくことはないと思います。

僕は就職してうつ病になり会社を退職した後もしばらくの間は何が何でも正社員でないといけないと思っていましたが、極端な話、別に正社員にならなくても死ぬことはありません。

心身ともに壊れるまでその会社で働くより、その時間を転職活動など自分にとって有意義であると思う他のことに充てる方が賢い選択だと思います。

今回のお話は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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2 COMMENTS

久保光広

こんにちわ。

記事を拝読いたしました。
私は研修機関に10年在籍していた経験があり、
現在は中小企業の管理職をしております。

あなた様が研修機関に対してTVやインターネットで得た情報を元に、
研修機関と利用企業の批評をしておりますが、
ご自身のお考えについて反芻したことはありますか。

端的にお伝えしますが、
あなた様はそういった研修機関の(一般的にきついと言われる)研修をご自身で体験されたことはありますか。その体験が無く、ご自身の考えをネット上で述べられるのはどうかと思います。

あなた様は「自由」について正しい知識をお持ちですか。
「自由」とは何でも個人の好き勝手にして良いということではありません。

「自由」の裏には果たすべき責任と義務があることをご理解いただきたいものです。
「社会人の自由」を得たいのであれば、社会人としての責任と義務を果たす必要があるということです。

あなたのおっしゃる通り、教育は採用した企業が行うのがベストです。

ではなぜ、地獄の特訓、アイウィル、日総研、タヤマ学校などの研修機関に何十万人(50万人以上は確実です。)もの企業の経営者も含めた社会人が参加しているのでしょう(高額なお金と貴重な時間を遣ってわざわざ叱られに行くのでしょう。)。あなた様がその問いに答えられないとしたら、もう少しお勉強なさった方が良いでしょう。

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匿名

私はとある会社の経営者です。
理想を捧げて自分を律して頑張っておりましたが、最近孤独を感じてしまいやる気が出ず困っておりました。飽きてしまったんですかね。
そこで怪しげなセミナーやカウンセリングではなく過酷な研修にいったら、甘えみたいなものから克服できるかと思い何故かこのブログに辿り着きました。
経営者でも、人間なのでくじけますよ。洗脳できるならしてもらいたいくらい。
誰かから支持もらって動いてみたい。
そんな人もいるのでこのような企業があるだけで、選択肢がふえる安心感はありますよ。

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