こんにちは。うつ病の療養2年目の大ちゃんです。
少し古いデータですが、2008年の厚生労働省の調査によると日本には104.1万人の人がうつ病またはうつ状態の気分障害患者がいると言われています。
うつ病の患者数が増えるにつれ「うつ病」という言葉は認知されてきましたが、うつ病という病気がどのような病気であるのか理解している人は少ないのではないかと思われます。
僕もうつ病になる前は「うつ病」という病気があるということはなんとなく知っていましたが、うつ病がどのような病気であるのかについては自分が実際に経験して初めて分かったことの方が圧倒的に多いです。
今回は「うつ病」ってそもそもどんな病気であるのか、どのような症状が出るのか、そしてうつ病の原因は何であるのかについてうつ病歴2年目である僕が説明していこうと思います。
うつ病ってどんな病気なの?
うつ病は脳の機能障害
この記事を読んであなたに僕がこれだけは分かってほしいことは、うつ病は決して「心の病気」だと思ってほしくないことです。
うつ病とは「脳の機能障害」のことです。
「うつ病は脳の機能障害である。」
このことわかっていただくだけで僕はとても嬉しいです。
未だにうつ病は「心の病」と呼ばれることが多いですが、そう思ってしまうと「うつは甘えだから根性で治る!だから頑張れ!」という考えが生まれてしまいます。
それは間違った理解であるうえ、うつ病で苦しむ患者さんへの偏見となってしまいます。
今回は大切なことですのでこれから何度も書きますがうつ病とは脳が正常に働かなくなってしまっている状態のことを指します。
うつ病の症状
うつ病の主な症状としては大きく分けて一般的なイメージである心の症状と身体の症状の2つに分けることができます。
脳に異常があると次のような症状が出てきます。
順番に見ていくことにしましょう。
心の症状
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抑うつ気分・・・気分が落ち込む、悲しい気持ちになる
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思考力の低下・・・集中力の低下、人の言うことが理解できないまたは理解するのに時間がかかる
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意欲の低下・・・好きだった趣味に没頭できない、テレビを楽しめない、やる気がでない
体の症状
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睡眠障害・・・眠れない、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める、寝ても疲れが取れない
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食欲の低下・・・食欲がない、何を食べても美味しくない、著しい体重の減少
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疲労・倦怠感・・・身体がだるい、身体が重い、何もしなくても疲れる
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ホルモン系の異常・・・性欲の低下、月経不順、勃起障害
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その他諸症状・・・頭痛、腹痛(便秘・下痢)、動悸、胃痛、肩こり、発汗等
気分が落ち込む、やる気がでないといった心の症状はあなたも何となくイメージできるかと思いますが、うつ病は心の症状にプラスして体の症状が現れることが特徴です。
実際僕も心療内科でうつ病と診断される一週間前ぐらいまでは心の症状より体の症状の方が顕著に現れていました。
うつ病と聞くと多くの人は「心の症状」ばかりを思い浮かべ「うつ病=心の症状」というイメージが独り歩きしてしまうため「これなら根性で治る!」と思いがちですが、決して心の症状だけがうつ病ではありません。
これがうつ病を誤って理解してしまう原因にもなっていると思いますが、むしろ僕の場合は身体の症状が先に出てきて心の症状がそれに付随するといった感じでした。
僕の場合、時系列で簡単に説明すると「腹痛や筋肉の硬直⇒身体がだるい⇒食欲がない⇒眠れない⇒思考力・意欲の低下・抑うつ気分」といった症状が順番に出てきました。
上記に挙げた症状が2週間以上続く場合はうつ病の疑いがあるので注意が必要です。
内科ではなく心療内科・精神科へ
と言っても体の症状が出ただけでは「精神科なんておおげさな、内科で十分」と考えてしまいます。
体の症状にもあるように脳に異常があるのにもかかわらず体に異常があるのではないかと思い、内科を受診する人が多いのです。
実際僕も過換気症候群で倒れた翌日は精神科ではなく内科を受診しました。
そのためうつ病の発見が遅れてしまい家族が気付いた時には手遅れとなってまいました。
全ての症状が「うつ病のせいだ」と考えるのもよくありませんが、上記に挙げた症状が続いているのにもかかわらず「自分はうつ病になんてならない」と思って病院に行かずにエナジードリンクや栄養ドリンクに頼るのはよくありません。
その代償が後になって必ず現れます。
「体がいつもと違うな」「最近何か調子が悪くおかしいな」と感じたら早めに精神科や心療内科を受診してください。
うつ病の原因
この記事の始めに「うつ病は脳の機能障害である」と書きました。
うつ病になってしまう原因はストレスがとか過労がとかよく言いますが、うつ病になる主な原因は脳内神経物質であるセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンの働きまたは分泌量の低下です。
これまではうつ病は本人の性格が原因とされていましたが、研究が進みうつ病は心の病気ではなく脳の機能障害であることがはっきりしてきました。
うつ病は脳が正常に機能しなくなった状態であるということが分かったため、脳を正常な状態に戻してやることができれば治療ができるということです。
何度も書きますがうつ病は決して「心の病」なんかではありません。脳の機能障害です。
今うつ病で苦しんでいる人はうつ病は脳の病気であって治療することが可能な病気であるということを頭に入れていただけたらなと思います。
まとめ
僕がこの記事で言いたいことは「うつ病は脳の機能障害である。」、ただそれだけです。
しかし未だにうつ病は脳の病気であるということを理解していない人の方が多いのではないでしょうか。
この知識不足が新たなうつ病患者を生む一つの要因になっているのではないかとさえ僕は思います。
僕もうつ病が脳の異常だということを分かっていれば早めに精神科を受診していたかもしれません。
もしあなたやあなたの周りの人が上記に挙げた症状に2週間以上悩んでいるのであれば迷わず精神科や心療内科を受診してください。
そしてうつ病の治療をされている方は必ず治る病気だと思って治療を続けていただけたらなと思います。
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