こんにちは。大ちゃんです。
あなたは『限界効用逓減の法則』というものをご存じですか?
これは経済学の専門用語なのですが、この法則は実は僕たちの身近なところに存在していますし、何より人間の満足度や幸福度に大きく関わってくる法則ですので、知っていて損はないと思います。
結論を言うと、限界効用逓減の法則というのは、追加されていくたびに満足度が少しずつ減少していくことを言います。
つまり、どれだけ「幸せ」と感じていても、だんだんその「幸せ」というものは薄れていくということです。
これだけの説明ではよく分からないと思いますので、今回の記事では、この限界効用逓減の法則について、大学で経済学を専攻していた僕が例を挙げながらわかりやすく説明していこうと思います。
好きなものでもたくさん食べると嫌になる~ケーキの例~
まずはあなたが買い物をするときを思い浮かべてみてください。
人間っていうのは、誰しも「自分にとって必要であるか」、また、「自分の好みに合うかどうか」によって買うものを決めています。
この時、僕ら人間はどのような考えに基づいて自分の購入する商品やサービスを選んでいるのでしょうか。
次から具体的な例を挙げていっしょにみていくことにしましょう。
一つ目のケーキの満足度は非常に大きいけれど…
例えば、あなたはケーキが大好物だとします。
そして、食べ放題のバイキングに友達とやってきました。
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そんなあなたがケーキを1個食べたときに得られる満足度っていうのは、とても美味しいので非常に大きいものですよね。
そしてケーキを1個ペロッと食べ終えたあなたは、
と思うはずです。
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次に、2個目のケーキを食べる段階では、1個目のケーキほどではないにせよ、それなりに高い満足度を得られると思います。
ポイントはこの「1個目のケーキほどではないにせよ」っていう部分。
これをよく覚えておいてください。
2個目のケーキの満足度は、「1個目には劣るにせよ」、まだまだ高いと言うことができます。
ケーキが追加されていくたびに満足度が少しずつ低下していく
しかし、3個目、4個目・・・と数が増えるにしたがって、あなたは、
というような気持ちが強まってきて、しまいには、
となってくるかもしれません。
いくらケーキ好きでケーキが大・大・大好物だという人でも、10個目ぐらいになると誰でも苦しくなってくるに違いありません。
最初はケーキを食べることに「喜び」や「幸せ」を感じていたはずなのに、いつの間にかケーキを食べることが「苦しみ」に変わっていますよね。
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このような「いくら好きだからといってもたくさん食べすぎると嫌になってくる。」
これがまさに限界効用逓減の法則を言い表した言葉であって、限界効用逓減の法則とは、このように、追加されていくたびに満足度が少しずつ減少していくことを言います。
簡単にですが図式にもすると、
と表すこともできます。
「限界効用逓減の法則」の言葉の意味
「限界効用逓減の法則」とは難しい言葉ですが、上記の例のようなことは、あなたもこれまでに何度か経験したこともあるのではないでしょうか。
そこで「限界効用逓減の法則」を「限界」と「効用」そして「逓減」の3つに分けて考えるとより分かりやすくなります。
限界とは「追加的な1単位」という意味
まず、「限界」とは日常生活では「体力の限界」など、これ以上超えることのできない、ギリギリのラインのことを意味しますが、経済学での限界とは、これとは異なり「追加的な」という意味でつかわれます。
簡単に言うと、「何かを追加したとき(の限界)」という意味になります。
上記の例では、ケーキの消費を1単位増やすことを「(追加的な)限界」という言葉で表しています。
効用とは「人間が感じる満足度のこと」
次に、「効用」とは、人間が感じる「満足度」のことです。
これは分かりやすいですよね。
ちなみに、日常生活では、効用とは、用途の意味や薬の成分が何に効くかなどの効き目を意味しますが、経済学では人間の満足の度合いのことをすべて「効用」と表現します。
ですので、経済学で「効用」という言葉が出てきたら、「これは満足度のことなんだな。」と思ってください。
逓減とは「少しずつ減っていくこと」
「逓減」(「ていげん」と読みます。)という言葉は日常生活では聞きなれない言葉ですし、難しい漢字が使われているので分かりにくいと思います。
「逓減」とは「少しずつ減っていくこと」を意味します。
ちなみに逓減の対義語として「逓増」という言葉もあって、こちらは逆に「少しずつ増えていくこと」を意味します。
話を元に戻しますが、上記のケーキの例では、「ケーキを1単位食べる(追加する)」ごとに「満足度(効用)」は「少しずつ減っていきました(逓減)」。
これが「限界効用が逓減した」という状態です。
これで限界効用逓減の法則がどういったものか、そしてその言葉の意味もお分かりいただけたと思います。
収入と幸福度は必ずしも比例しない~あなたは残業する?しない?~
限界効用逓減の法則は上記のケーキのほかに、どのようなものがあるでしょうか?
実は、お金と幸福度についても限界効用逓減の法則がはたらいていると言えます。
例えば、1時間残業すると、5,000円の残業手当が支払われる場合、あなたは何時間残業しますか?
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お金に余裕がある人っていうのは、最初から「1時間の残業によって得られる5,000円」よりも、「1時間自由に過ごすことのできる時間」の方がウエイトが大きく満足度が高いので、仕事の方が楽しい等、よほどの理由がない限り残業はしません。
一方で、お金に困っていて来月の生活費が足りないという人は、1円でも多く収入をアップさせるチャンスだと思って、4時間も5時間も残業をするかもしれません。
しかし、この条件でどちらの人にも共通しているのは、残業時間が増えれば増えるほど、限界効用は減るということです。
賃金が0円が5,000円に増えるのはとても嬉しく感じますが、2万円が2万5,000円に増えるのならば、その分早く帰った方がいい、と考える人も多いでしょう。
バランスを考えて「効用を最適化」する
実はこの法則を知っているか否かで、あなたの今後の生活は大きく変わってくることになります。
限界効用逓減の法則が日常生活で特に役に立ってくるのは、予算や時間などの制約がある場合です。
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どういうことかというと、例えば、1個200円のケーキと、1個100円のシュークリームが売られていて、あなたが使える予算は1,000円だとします。
この場合、ケーキは最大で5個、シュークリームは最大で10個買うことができますね。
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しかし、予算のすべてをケーキの購入に使ってしまうと、5個目のケーキは最初に挙げたときの例のように飽きてしまい、美味しく食べることができません。
それはなぜかと言うと、限界効用が逓減していくからです。
かといってシュークリームを10個買っても、10個目はどう考えてもいらなくなりますよね。
何もかもバランスが大切になってくるのです。
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この場合、例えばケーキは2個で十分満足すると知っていると、残りの予算である600円でケーキではなくシュークリームを買って食べることができますし、シュークリームも3個で満足すると知っていると、予算である1,000円すべてを使う必要もなくなってきます。
同じように、時間制限のある食べ放題のバイキングでも、好物だけをたくさん取るより、興味があっても普段食べないようなものを少しずつたくさん取って食べる方が満足度が高くなるのではないでしょうか。
また、お酒が好きで美味しいと言っても、最初の1杯から美味しさは減少していくものなので、何杯も何杯も酔いしれるまで飲む必要はないわけです。
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と、こんな風に、限界効用逓減の法則は、何かを消費することを決定する際に「本当に必要かどうか」を考える手助けとなってくれます。
このようなラインが存在するということは、今回紹介した限界効用逓減の法則を理解していないとわかりません。
自分にとって最適な選択を行い、より幸せな人生を歩むためにも、あなたもぜひ生活に取り入れて有効活用してみてください。
以上が、限界効用逓減の法則についての簡単な説明となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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