こんにちは。大ちゃんです。
僕は子どもの頃から牛乳が大好きで毎日の食事に欠かすことができないのですが、先日牛乳が冷蔵庫にないことに気付き、その時たまたま出かけていた弟に牛乳を買ってきてもらうように頼みました。
すると弟が買ってきたのは牛乳ではなくて加工乳でした。
牛乳好きの僕がそれを飲んでみるとやっぱりという感じでいつも飲んでいる牛乳と比べ味が少し薄かったのです。
(やっぱりというのは「これは牛乳じゃねぇ。給食に出てきた牛乳みたいだ。」って感じです。)
弟は牛さんの絵がパックに描いてあったので、これは牛乳だと思って買ってきたとのことですが、実は牛乳には種類分けがあり、もしかしたらあなたが牛乳だと思って飲んでいる飲み物は牛乳ではないかもしれません。
お店で売っている牛乳のパッケージをよ~く見ると、その種類が分かるようになっているのですが、どの牛乳を飲んでもたいして変わらないよと思われる方はこれから紹介する種類別を意識していただくと味の違いが分かるようになるかもしれません。
今回は大の牛乳好きの僕が牛乳の種類について説明していきたいと思います。
牛乳の分類
結論から先に言うと牛乳には7つの分類があり、これは「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(乳等省令)という法律でも定められています。
- 牛乳
- 特別牛乳
- 成分調整牛乳
- 低脂肪牛乳
- 無脂肪牛乳
- 加工乳
- 乳飲料
スーパーなどで売られている牛乳をよく見ると、どの銘柄の牛乳にも「種類別:○○」として書いてあります。
実は厳密に言うと「牛乳」というのは「牛乳」、「特別牛乳」、「成分調整牛乳」、「低脂肪牛乳」、「無脂肪牛乳」の5種類で「加工乳」と「乳飲料」は牛乳ではないのです。
しかしこれを知っていたとしても問題は味などがどう違うのか分からないと買う時に迷ってしまいますよね。
それではその違いと特徴をこれから順番に見ていきましょう。
原材料が生乳100%のもの
「加工乳」と「乳飲料」は牛乳ではないと書きましたが、その違いは「原材料が生乳(せいにゅう)100%であるかそうでないか」の違いです。
ここで生乳という言葉が出てきましたが、「生乳」とは搾ったままの牛のお乳のことを指し、加熱処理などの処理を一切おこなっていないものをいいます。
牛乳は生乳を加熱処理したものを指します。
「牛乳」、「特別牛乳」、「成分調整牛乳」、「低脂肪牛乳」、「無脂肪牛乳」の原材料は必ず生乳が100%になっています。
牛乳
牛乳とは生乳だけでできていて成分を調整していないもののことです。
つまり搾った生乳を殺菌処理したものが「牛乳」で、スーパーやコンビニなどのお店で売られている牛乳の多くはこれです。
「牛乳」と名乗るものは水や添加物を混ぜたり、成分を除去することは一切禁じられていて、無脂乳固形分を8%以上、乳脂肪分を3%以上含まれたものが「牛乳」と定められています。
ちなみに牛乳から水分と乳脂肪分を除いたものを無脂乳固形分といい、牛乳から水分と無脂乳固形分を除いたものを乳脂肪分といいます。
乳脂肪分が多ければ多いほどコクのある味わいになり、夏は冬よりも乳脂肪分・無脂乳固形分ともに低くなる傾向があります。
その理由は夏は暑いため冬よりも牛が水分をよく摂取するからです。
夏より冬の方が牛乳が濃く感じるというのはこのためです。
話が少し逸れましたが、「種類別:牛乳」と書かれているものが正真正銘の「牛乳」なのです。
牛乳は生乳100%かつ成分が一切調整されていないため、牛乳本来の味を楽しみたい方におすすめです。
特別牛乳
牛乳好きの僕でも「特別牛乳って聞いたことないや。」と思って調べてみたのですが、それもそのはず、特別牛乳はそこらのお店で売っている代物ではありません。
特別牛乳は厚生労働省が定める特別牛乳さく取処理業の許可を受けた施設で製造された無調整牛乳のことで、特に優れた飼育環境や特別な牛乳処理施設が必要とされ、その生産地は日本全国に4カ所しか存在しない、まさに特別な牛乳なのです。
特別牛乳の無脂乳固形分は8.5%以上、乳脂肪分は3.3%以上と定められていて、2017年現在では北海道河西郡中札内村の「想いやりファーム」、神奈川県横浜市の「雪印こどもの国牧場」、京都府木津川市の「クローバー牧場」、福岡県嘉麻市の「白木牧場」の4カ所で製造された牛乳だけが特別牛乳と名乗ることができます。
そんな珍しい「特別牛乳」。牛乳好きでなくても一度は飲んでみたくなりますよね。
成分調整牛乳
成分調整牛乳は生乳から乳成分の一部である乳脂肪分、水、ミネラルなどを取り除いたもので、無脂乳固形分が8%以上のものです。
牛乳のクセを取り除いて飲みやすくしているものや、水分を除去して味を濃くしているものなどさまざまな味の牛乳があります。
成分調整牛乳は飲みやすい味の牛乳が飲みたいという方におすすめです。
低脂肪牛乳
低脂肪牛乳は、生乳から乳脂肪分の一部を取り除いたもので、無脂乳固形分が8.0%以上、乳脂肪分が0.5%以上1.5%以下のものを指します。
生乳から前述の規格に合うように乳脂肪分の一部を取り除き、殺菌したものが低脂肪牛乳です。
無脂肪牛乳
無脂肪牛乳は、生乳から乳脂肪分のほとんど全てを取り除いたもので、無脂乳固形分が8.0以上、乳脂肪分が0.5%未満のものを指します。
生乳から前述の規格に合うように乳脂肪分のほとんど全てを取り除き、殺菌したものが無脂肪牛乳です。
低脂肪牛乳や無脂肪牛乳は乳脂肪分が少ないため本来の牛乳の味とはずいぶん異なりますが、脂肪をあまりとりたくないという方にはおすすめです。
原材料が生乳+乳製品のもの
生乳が100%以外のものは商品名を「牛乳」と名乗ることができないのです。
つまり原材料に生乳以外のものが少しでも入っていると加工乳か乳飲料と表記されています。
加工乳と乳飲料は生乳を使用しているものの厳密に言うと牛乳ではありません。
特に加工乳はパッケージに牛や牧場のイラストが描かれているので牛乳と思いがちですが、その商品にはどこにも「牛乳」とは書いていないので購入する際には注意が必要です。
加工乳
加工乳とは、「生乳」、「牛乳」、「成分調整牛乳」、「低脂肪牛乳」、「無脂肪牛乳」「乳等省令によって定められた乳製品の一部」(脱脂粉乳やクリーム、バターなど)が原材料で、無脂乳固形分が8.0%以上が条件となっています。
乳脂肪分の規定はなくて、牛乳より乳成分を濃くした濃厚タイプや、脱脂粉乳などを加えた低脂肪タイプなどがあります。
加工乳は、無脂乳固形分や乳脂肪分を調整できるので、好みに合った組成のものを選ぶのに適しています。
どういうことかというと、例えば生乳にクリームやバターを加えて脂肪やたんぱく質、カルシウムを多く含んでいる濃厚タイプの加工乳や、それとは逆に脱脂粉乳などを加えて脂肪分を少なくしたタイプの加工乳などさまざまな商品があるということです。
濃厚なものは栄養価も高くて風味も濃厚で「コクのある牛乳が好き」という方におすすめです。
低脂肪タイプは「脂肪は少なく、カルシウムはしっかり摂りたい」という方におすすめです。
ちなみに今回僕の弟が買ってきた加工乳は乳製品が含まれていますが、乳脂肪分が低いので低脂肪タイプのようです。
通常、加工乳で低脂肪なものは牛乳と比べて安価なものが多いです。
乳飲料
乳飲料は、「生乳」、「牛乳」、「成分調整牛乳」、「低脂肪牛乳」、「無脂肪牛乳」「乳等省令によって定められた乳製品の一部」(脱脂粉乳やクリーム、バターなど)を原材料として、乳固形分(無脂乳固形分と乳脂肪分の合計)が3.0%以上含まれているもののことです。
乳飲料をさらに種類分けすると、「カルシウム」、「ビタミン」、「鉄」など栄養分を加えた白物乳飲料と、「コーヒー」、「ココア」、「果汁」などを混合した色物乳飲料があります。
ちなみに雪印集団食中毒事件をきっかけに2001年からは生乳を100%使用してしていないものは「牛乳」と名乗れなくなったため、それまでコーヒー牛乳と呼ばれていたものは「コーヒーミルク」、「カフェ・オレ」等へ商品名を変更せざるを得なくなった経緯があります。
まとめ
以上のように牛乳は「牛乳」、「特別牛乳」、「成分調整牛乳」、「低脂肪牛乳」、「無脂肪牛乳」、「加工乳」、「乳飲料」の7つに分類されます。
表にまとめてみるとこんな感じになります。
生乳のみ(生乳100%) | 成分無調整 | 8.0%以上 | 3.0%以上 | ||
8.5%以上 | 3.3%以上 | ||||
成分調整牛乳 | 乳成分の一部(乳脂肪分、水分、ミネラルなど)を取り除いたもの | 8.0%以上 | 規定なし | ||
低脂肪牛乳 | 乳脂肪分の一部を取り除いたもの | 0.5%以上1.5%以下 | |||
無脂肪牛乳 | 乳脂肪分のほとんど全てを取り除いたもの | 0.5%未満 | |||
生乳+牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、乳等省令で定められた乳製品の一部のうちのいずれか | ‐ | 8.0%以上 | 規定なし | ||
白物加工乳 | 生乳+牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、乳製品のいずれか | ‐ | 乳固形分が3.0%以上(無脂乳固形分と乳脂肪分の合計) | ||
色物加工乳 | 生乳、牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、乳製品のいずれか | ‐ |
特に牛乳と加工乳、白物乳飲料はパッケージをよ~~く見ないと区別がつきにくいです。
あなたがそれまで牛乳だと思っていて飲んでいるのは本当に牛乳ですか?
僕はいつも「牛乳」と分類されたものを買うのですが、もっとおいしい牛乳を飲みたいと思っている方は種類別に注意して飲み比べをし自分好みの牛乳を探してみてはいかがでしょうか。
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