こんにちは。大ちゃんです。
今回は麻生太郎副総理兼財務相が2016年6月17日、北海道小樽市で開かれた自民党の集会で、「90になって老後が心配とか、わけのわからないことを言っている人がテレビに出ていたけど、いつまで生きているつもりだよと思いながら見ていた」と発言したことについて高齢者に対して配慮が欠けた発言ではないかと批判が出ていることから僕の考えを書いてみようと思います。
麻生氏の発言
まず僕が感じたことは記事にもなっている冒頭に書いた部分だけを見て批判的になっている人は麻生氏が述べた全文に一度目を通してから意見を言ってもらいたいと思います。
長いですが誤解がないように麻生氏の発言の全文を引用しておきます。
思ったより伸びなかったのは、個人の消費です。間違いなく1700兆円を超す個人金融資産がある。すさまじいお金。そのお金が消費に回らない。買いたい物がないとか、将来が不安だからとか、いろんな理由あるだろうが、いずれも伸びない。金なんてね、あれ見るもんじゃねえんだ。触るもんでもねえ。あれは使うもんだから。使って回さないとどうにもならねえ。じーっとしているのが最大の問題だ。
従って消費税、このまま、さらにじーっとなられるよりは、2年半先に延ばすという結論がなされたのが10日ぐらい前の話です。(2014年衆院選で)信を問うて今回は信を問わないのは筋が通らないということで、意見が分かれましたが、最終的に消費がこれ以上冷えこむのはまずいと。2年半延ばすという結論が出されたから、組織としてはそれに従う。当たり前のことだ。決めきらないのが一番問題だ。決めきらないんだったら、それは民主党になっちゃう。決めるというのは大事なこと。
ぜひ、みなさん方にお願いしておきたいのは、このお金を何に使うのかだけは、ぜひ考えといてもらいたい。俺も75歳だから、俺が考えてもしょうがないの。みなさん方は何に使うんです、この金。さらにためますか?
金ってのは、ない時はためるのが目的になるさ。しかしあったら、その金は使わなきゃ何の意味もない。金ってそういうものだ。従って何に使うのか決めてもらいたい。どうしたいんです? さらにためてどうするんです?
90歳になって老後が心配とか、訳のわかんないこと言っている人が、こないだテレビに出てたけど、オイ、いつまで生きてるつもりだよと思いながらテレビを見てましたよ。
わたしのばあさんは91歳までピンとしてましたけど、この人は、金は一切息子や孫が払うものと思って使いたい放題使ってましたけど、ああ、ばあさんになったらああいう具合にやれるんだなと思いながら眺めてました。(17日、北海道小樽市の自民党支部会合で)
消費に回さず貯蓄していることが問題
この発言の中で麻生氏は個人金融資産は1,700兆円超あるのに個人消費が落ち込んでいる現在の経済の問題点を指摘しています。
「金を貯め込んでいても仕方がない。金は使ってこそ意義がある。」
この意見には僕はおおむね賛成です。
だってお金なんてただの紙切れ。
そのお金を使ってモノやサービスを享受することに意味があるんだと僕は思います。
若いうちは結婚資金など使い道があるので貯蓄するのもよく分かりますが、高齢となってお金を貯めて通帳の残高が増えていくことに喜ぶのは僕は極めて非生産的で無意味なことだと考えます。
そんなことなら金持ちの高齢者は死ぬ前に自分のため、社会のため、経済のためにお金を使ってほしい。
貯蓄が30万円余りしかない貧乏な僕からしたらお金を世の中に吐き出してくれることは切実な願いです。
何歳であろうと老後は心配
麻生氏は「90歳になって老後が心配とか、訳のわかんないこと言っている人が、こないだテレビに出てたけど、オイ、いつまで生きてるつもりだよと思いながらテレビを見てましたよ。」と述べていますが、今の時代90歳に限らず何歳であっても老後の生活に全く心配がないという人はごくわずかだと思います。
この発言だけが取り上げられ批判の声も上がっていますが、この発言は上記のような金持ちが消費せずに貯蓄に回すことができる麻生氏本人のような政治家や一部の金持ちの高齢者に対して麻生氏が伝えたいことであり、少ない年金で慎ましく暮らしている高齢者から反感を買うのは必然のことだと僕は思います。
今や小学生や幼児でもお年玉の使い道でいちばん多いのは「貯金」。
90歳の高齢者であろうが子どもであろうがこれから先の人生が不安になるのは昨今の経済状況から考えると自然なことです。
しかし麻生氏の言いたいことというか伝えたいことにはおおむね賛成です。
眠っているお金を世の中に回さなければ景気も良くなるはずがない。
個人の資産として眠っているお金は世のため人のため、そして自分のためにも使ってほしい。
お金は使ってなんぼのもの。使って初めてお金の価値を享受することができるのです。
死んだらお金は使えない
もちろん自分が死んでしまったらどれだけお金を持っていても使うことはできません。
お金はあの世にまで持っていけないのです。
(せいぜい豪華な葬式ができるぐらいでしょうか。)
若者を中心にたびたび話題になる「明日地球が滅びるとしたら何をしますか?」という質問にあなたはどう答えますか?
明日自分が生きているのかどうなのかはあなたも僕も政治家も天皇陛下も誰にもわからないことです。
大地震が発生したり原発が爆発したりと自分の人生にも何が起こるかは誰ひとり分かりません。
つまり人生は常に不安定だと考えることもできます。
(実際僕はうつ病になり無職になりました。)
その想定外の事態のためにお金を貯めている?
いやいや、死んでしまったらおしまいです。お金がどうとか関係ありません。
大量の貯蓄をしてお金を使わずじまいで天国へ旅立った人は自分の通帳の無意味な数字の羅列を見て後悔していることでしょう。
「死ぬ前にぱーーーっとお金を使いたかったなあ」と。
最後に
今回は麻生氏の発言からお金について考えました。
将来が不安だから貯蓄をする。貯蓄をするから消費が落ち込む。消費が落ち込むから景気が悪くなる。景気が悪いから将来が不安だ…
このままでは悪循環。それは分かっていても解決策を探すのに一苦労。
うーん、難しい問題ですね。
間もなく参議院議員選挙の投票日。
どうか政治家のみなさんにはお金を使うことに誰もが不安を感じないような社会にしていってもらいたいものです。
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