こんにちは。大ちゃんです。
先週、僕は右の眼の白内障の手術を受けてきました。
「白内障」と聞くと、お年寄りの病気だと思われる方が多いかもしれませんが、タイトルにもあるとおり、アトピー性皮膚炎だと若い人でも白内障になる場合があるんです。
9ヶ月前にアトピー性の白内障と診断
僕はもともと緑内障にもなっていて、毎月、眼圧の検査と緑内障の進行を抑える目薬をもらいに眼科に通っているのですが、今から約9か月前の2018年8月の診察時に、両目とも「白内障」と診断されました。
診断された当初は見え方に何の違和感もなく、また、アトピーを持っていると若くで白内障になる可能性が高いということや、白内障は手術を行うことで治るということも知っていたのでそんなに驚くことではありませんでした。
半年を過ぎた頃から右眼の白内障が急激に進行
それから3ヶ月ほどは白内障であっても矯正視力は両目とも1.0以上で、日常生活を送るうえで特にこれといった不便はなかったのですが、今年(2019年)に入ってからは、特に昼間の晴れている日に外出をすると右目だけがかすんで見えるようになりました。
また、照明など明るいものがまぶしく感じるようになり、逆に夜や明りのない暗い部屋の方が見えやすくなるようになりました。
そして手術をする3ヶ月ほど前の2019年2月ごろからは、右眼の白内障が急激に進み、片目だけではパソコンの画面の文字を読むのが難しくなってきたんです。
このように、両目の視力が合わなくなったころから、これまで以上に目が疲れるようになってきました。
また、眼科で検査をしなくても、鏡で自分の右眼を見てみると、肉眼でも眼の真ん中が白く濁っていることが分かり、右眼と左眼で見え方がかなり違うようになりました。
日常生活が不便に感じてきたので手術を受けることを決意
そんな感じで、両方の眼の見え方の違いから日常生活を送るうえで不便を感じるようになってきて、メガネやコンタクトレンズをしていても右眼の視力が0.7しか出なくなったので、この時点で思い切って手術を受けることを決意しました。
これは2019年3月末のことで、白内障と診断されてから約9か月後のことです。
アトピー性白内障と通常の白内障の違い
僕は眼科医ではないので、詳しい説明はできませんが、ここで簡単にアトピー性白内障が通常の白内障とどう異なるのか簡単に説明しておこうと思います。
冒頭にも書いたように、通常、白内障は老化によって起こります。
白内障は眼の中の水晶体が白く濁ることで起こる病気で、進行することで視界がだんだんとかすんで見えるようになり、歳を重ねると誰でもなる病気です。
また、老人性の白内障は進行するのも遅いです。
しかし、アトピー性の白内障は、僕のように20歳代~30歳代の比較的若いうちに発症することが多く、症状の進行も比較的早いです。
また、通常の白内障が水晶体の周りから白く濁ってくるのに対し、アトピー性の白内障は水晶体の真ん中から濁りが拡がっていきます。
そのため、通常の白内障よりも見え方が急激に悪くなり、視力も低下していきます。
原因はまだ不明ですが、アトピーの痒さでよく顔をかきむしるから、アトピーの治療薬であるストロイド剤の副作用、元々アトピーの人が持っている因子など、色々な説があります。
白内障の手術とは
白内障の手術の正式名称は「水晶体再建術」といい、簡単に言うと濁った水晶体を取り出し、人工のレンズに入れ替える手術です。
まず、眼の角膜(黒目の部分)の端の方に器具を入れるための傷口を作ります。
水晶体は袋に包まれており、白く濁るのはその袋の中身だけのため、袋の前の部分に穴をあけます。
そこから専用の器具を入れて、濁った水晶体を超音波で粉砕して吸い出します。
袋だけを残すことができれば、その中に換わりの水晶体である人工レンズ(眼内レンズ)を入れて手術は終わりです。
手術の所要時間は10分~15分ほどです。
そのため、最近は入院はせずに日帰りでの手術が主流となっています。
僕も今回の手術では日帰りで行いました。
なお、手術では事前に眼に局所麻酔をするため、ほとんど痛みはありません。
と言っても、実際、眼にメスを入れるわけだし、水晶体を粉砕して吸引・・・なんて知ってしまうと、
「すごいことをするんだな」
と思ったのと同時に、調べれば調べるほど手術が怖くなってしまった自分がいて、
「怖がりなんだから調べなければ良かった・・・」
と思ってしまいました。。(汗)
白内障手術の体験談
手術の約半月前に眼内レンズのピント合わせ
手術をすると決めたのが2019年の3月末。
この時に血液検査をし、手術の具体的な日程やそれまでのスケジュールを決めました。
そして、手術の約半月前に眼内レンズのピントをどこに合わせるのか決め、主治医の先生から手術の説明を受けました。
白内障の手術では、眼の中に水晶体の換わりとなる人工レンズのピントをどこに合わせるのかが重要となります。
なぜなら、水晶体を取り除くと、目のピント調節機能が失われ、ピントが一か所にしか合わなくなるからです。
水晶体の代わりに入れる人工レンズは「単焦点眼内レンズ」と言い、遠くにピントを合わせるものと、近くにピントを合わせるものの2つあります。
通常の白内障は歳を取ってからの老眼の状態でなり、老眼だと近くが見にくくなるので、人工レンズのピントは遠くに合わせる人がほとんどです。
この場合、遠くは眼鏡なしでもよく見えるようになりますが、近くを見るには老眼鏡が必要になってきます。
ですが、僕はパソコンをよく使うし、まだ若いため、人工レンズのピントは遠くではなく近くに合わせることにしました。
元々両目とも近視ですし、もう片方の目との兼ね合いもあり、手術前と手術後の見え方にできるだけ違和感がないようにしようと思ったのも、近くに人工レンズのピントを合わせた理由です。
そのため、僕は近くを見るには眼鏡なしでも見ることができますが、遠くを見るためにはこれまで通り眼鏡が必要です。
ただ、手術した右眼はピントが1か所にしか合わなくなったので、近くを見るときは眼鏡を外さないとみることができなくなりました。
なお、保険が効かずすべて自費になりますが、近くと遠くの2か所にピントが合う人工レンズ(多焦点眼内レンズ)もあります。(※片目で30万~40万円ほどだそうです。)
手術の3日前に手術の説明と目薬をさす練習
手術の約1週間前には、通院している眼科とは別の内科で心電図やレントゲン検査などの健康診断を受け、異常がないことを確認しました。
そして手術の3日前に、当日、同じ白内障手術を受ける人が集まって手術当日の説明や術後に点す目薬の説明を聞きました。
また、この説明の時に実際の人工レンズを手に取って見せてもらえました。
人工レンズの直径は4mmほどで、とても小さいです。
僕が手術を受けた眼科は毎週火曜日の午後が手術の日となっており、今回は僕を含めて5人の患者さんが手術を受けることになっていました。
手術を受ける順番は僕がトップバッターで、僕の後に残りの4人がだいたい10分おきに順番に次々と手術を受けることになります。
この日から1日4回の目薬をして、前日の朝からは飲み薬も飲みます。
いよいよ手術当日
手術を受けた後はしばらく顔や頭が洗えなくなるので、手術の日の朝にシャワーを済ましていざ眼科へ。
指定された時間に受付を済ませると、まず待合室で血圧を測り、そして、消毒や麻酔の目薬を5分おきに計10回、看護師さんに点してもらいます。
カエルの合唱の輪唱のように、それぞれの患者さんに順番に目薬を点していきます。
そして目薬を繰り返すこと約1時間。
最後の目薬が終わると、看護師さんに連れられて手術室前の部屋に移動します。
そこには大きな一人掛けのソファがあり、そのソファに座り、その後に看護師さんに手術着を羽織らせられ、手術用の帽子も被らせられました。
もう一度血圧を測り、また、胸には心電図のパッチが数か所貼られ、この状態で手術開始を待ちます。
この待っているときのなんとも言えない緊張感。
僕にはこの時間がものすごく長く感じました。
ちなみに僕はとても怖がりで心配性なため、
「本当に、本当に痛くないんだろうか」
「失敗せずにうまくできるのだろうか」
「最悪失明したらどうしよう…」
などと、色々なことが脳の中を駆け巡りますが、ここまで来てもう後戻りはできません。
そうやって覚悟を決め、時間になったら名前を呼ばれていざ手術室に向かいます。
手術室に入ると歯医者さんにあるようなリクライニング式のベッドに座り、指先には体内の酸素の濃度を測定する機械がつけられました。
顔には説明の時に聞いていた、手術する方の眼の部分だけ穴が開いているカバーをかぶせられました。
いよいよ手術開始です。
まず麻酔の目薬をして目の周りを消毒します。
そして瞬きができないように器具でまぶたが固定された後は、もう何が起きているかは分かりません。
ですが耳だけは聞こえているので、周りの音や声は全て筒抜けです。
そして、執刀医の先生が「これから○○○○(僕の名前)さんの手術を行います。」と言います。
先生の「メス」と言う声が聞こえた時は緊張の最高潮でしたが、その後機械の音が聞こえているときは、
「今おそらく水晶体を超音波で砕いているんだろうな。」
とか、
「今は何をしているんだろう?」
とか、色々なことを想像していました。
痛みは事前に言われていたようにほとんどありません。
時々先生が、
「下の方を見てください。」
とか、
「痛くはありませんか?」
などと言います。
しばらくすると、水が流れてきて、視界が一瞬虹色になり、万華鏡のように幻想的な世界が広がりました。
ただこの時に、時々チクチクとした痛みがありました。
しかし、我慢できないほどの痛みではありません。
ですが、僕が「少し痛いです」と言うと、麻酔の目薬を追加してくれたようです。
そして、感覚的にも10分ちょっと経ったころだったでしょうか。
「はい、終了です。」
と先生の声が聞こえました。
大きな眼帯が右眼につけられ、リクライニング式ベッドが起き上がり、手の指につけられていた機械が取り外されると手術室から退室します。
手術室から出た後は、手術前に待機していたソファのある部屋に再び入り、心電図のパッドをとって手術着や帽子を脱ぎます。
そして、首の後ろの部分にホットタオルを当ててもらえました。
しばらくすると看護師さんと一緒に待合室に戻ります。
そして受付で名前を呼ばれるとそこでいつもの外来のように精算をすまして終わりです。
この時は、「えっ!?もう帰っていいの?」って思いましたが、本当にこれで終了です。
ちなみに手術費用は3割負担で4万6千円ほど。
実際には術前・術後の検査や目薬などもあるので、トータルでかかるのは片目で6万円ぐらいです。
当日は眼帯をしたまま帰宅し、翌日の朝の診察まで外せません。
先にも書いたとおりお風呂も入れないので、当日は安静にしておきます。
手術翌日~見え方がクリアになって別世界に~
手術翌日の朝、眼科へ行くと、昨日手術を受けた人がいました。
診察室で眼帯を外し、検査をします。
この時に初めて手術をした方の眼で周りを見ることできるようになります。
この時は感動しました。
白くかすんでいたものがなくなっただけでなく、物の色が手術前と比べるとよりクリアに、そして鮮やかに見えるようになったからです。
診察室前の待合室では、僕を含め、手術を受けた人どうし、「こんなに見えるようになった!」と思わず感動を分かち合いました。
検査で異常もなく、事前に狙った視力も出ていて良好ということで、術後の目薬と保護メガネ、そして透明のアイマスクを受け取り、帰宅します。
それから1週間ぐらいは細菌の感染に注意を払わないといけません。
というのも、手術が成功し、よく見えるようになったことで浮かれて、うっかり目薬を忘れたり、身体に負担をかけてしまうことで手術で開けた傷口からばい菌が入り、最悪そのまま失明に至る場合もあるからです。
ですので、白内障の手術は手術そのものよりも、術後のケアがきわめて重要であるとも言えます。
目薬は3種類の目薬を1日4回します。
術後しばらくは、裸眼でいるときは保護メガネをかけ、眠るときは透明のアイカバーをつけて寝ます。
入浴は手術の次の日からOKでしたが、洗顔と洗髪は3日間できないので、さすがに3日間頭を洗えないと髪の毛がネトネトしてきて少し辛かったです。
診察は手術の翌日、その2日後、その3日後、1週間後・・・と日が経つにつれ、受診の間隔がひり手いきます。
ちなみにこれを書いているのは手術のちょうど1週間後です。
診察や検査で異常がない場合、1週間も経つと、ようやく普段の生活に戻ることができます。
右眼の視界はきわめて良好となり、パソコンの操作も快適にできるようになりましたが、その反面、逆にこれまで良く見えていたと感じていた左眼がみにくくなりました。
左眼も白内障になっているので、今回と同じようにいつかは手術をしなければいけなくなりますが、日常生活では不便を感じないため、しばらくはこのまま様子を見ようと思います。
最後に
今回はアトピー性白内障の手術を実際に受けたことを記事にしてみました。
白内障の手術を受けること自体はそんなに珍しいことではありませんが、僕のように、若くで白内障の手術を経験するという人はかなり少ないと思います。
また、一番気になるのが痛みがどの程度なのかということだと思いますが、上記にも書いているとおり、少しチクチクするぐらいで、痛みはほとんどありませんでした。
ですが、僕がどれだけ痛みはほとんどないと言っても、実際に手術を経験しないことには、信じてもらうことは難しいと思います。
ただ、ものすごく怖がりな人は麻酔を追加してもらうこともできるようで、実際に僕の次に手術を受けた人は全身麻酔をして手術を行ったようです。
また、今回は右眼の手術を行いましたが、いずれはもう片方の眼である左眼の手術を行う日も来ると思います。
ですが、逆に言うと、白内障の手術は長い人生の中で2回しか経験できないことです。
20代後半という若いうちに先に経験できたということは、「案外貴重な経験をしたんだな」と気づいたところでこの記事を終わりにしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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