こんにちは。うつ病ブロガーの大ちゃんです。
電通の過労死問題を皮切りに、日本では近年、労働に関する様々な問題が社会問題となっています。
例えば、「過労死」の問題を見てみると、厚生労働省は、残業を含めた時間外労働が月80時間を超える場合を「過労死ライン」と呼んでおり、これは1日4時間以上の残業、あるいは1日12時間労働になると、月80時間に到達する計算になります。
この状態が続くと、誰であっても身体に異変が起きるようになり、いずれは健康被害を引き起こすことになり、最悪の場合、命を失う危険性だってあり得るのです。
しかし、日本には月に80時間程度の残業をする人はたくさんいて、

なぜ80時間くらいで問題になるのか分からない

100時間以上残業している人もいるくらいだ
などと、問題にするどころか「大げさだ」と言うビジネスパーソンも多いのが実情です。
これは僕は、長期にわたって長時間労働を当たり前のものだとして受け入れてしまったことで感覚が麻痺し、異常であることさえも分からなくなってしまった人の典型例だと思うんです。
つまり、すっかり会社に飼いならされた「社畜」となってしまったということ。
ただ、実際は従業員と会社との労働契約は「1日8時間が基本で残業は例外」と定められているので、月80時間を超えて働かせる、ましてやそれが常態化しているというのは完全に「異常事態」なんだと僕は思うわけです。
だけど、社畜化した本人は上記のように自分が社畜であるとは微塵も思っていないため、そもそも問題だと思うことはないのです。
今回は日本の異常な労働環境から、社畜が生まれる仕組みや理由を含め、これからの働き方について、ちょっと考えてみます。
なぜ会社の奴隷となった「社畜」が誕生するのか~社畜が生まれる背景~

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企業が従業員を酷使して死ぬギリギリのラインまで働かせるというのには、いくつかの理由があります。
まず、多くの人がイメージするのは、長時間残業させることによって、会社は、上司の言うことなら、たとえそれが違法なことであっても従うといった、「奴隷」を容易に作り出すことが可能になるということ。
これはその通りで、長時間の残業により、プライベートを捨てさせることで、会社が第一の人間に仕立てあげ、会社が「もっと働け」と言っても、疑うことなく黙って従う体質にしてしまう。
これを別の言葉で「洗脳」とも呼びますが、会社がこうやって長時間残業させることにより、会社の言うことなら何でも従う「社畜」が誕生するのです。
残業代が支払われない長時間労働は実質的に賃金の引き下げを意味する

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あなたもこれまで、一度どころか何度も見聞きしたことがあるだろう言葉に「ブラック企業」という言葉があります。
ご存じのとおり、「ブラック企業」は、従業員に対して長時間残業をさせても、その対価である残業代を払わない会社のことを表します。
日本の会社のほとんどで、本来なら異常である長時間残業が減らないのは、上記に述べた「社畜化」に加え、「コスト削減」を行うためでもあります。
どういうことかというと、日本は世界の先進諸外国と比べると貧乏ですが、それでも従業員、特にサラリーマンと呼ばれる正社員の賃金はまだまだ高めです。
途上国では日本よりも安い給料で雇っても雇いきれないほどの人が職を求めているので、経済がグローバル化して世界と競争しなければならない企業にとっては、日本人を雇うのには多大なコストがかかりそれが足かせとなります。
そこで、企業がその差を補うために、日本人の労働者には長時間の残業を無賃でさせることにするのです。
経済がグローバル化した世界では、すでに企業は国を跨いで活動しており、安い賃金でも喜んで働く労働者が世界にはたくさんいることを知っています。
そのため、高待遇や高賃金を求める日本人の労働者は、経営的視点から見れば解雇するのが一番合理的な判断となります。
しかし、緊急時でもないのに正社員をリストラすると社会的にも批判を浴びることになります。
だから、会社はすぐには解雇をせず、リストラの代わりに残業代なしで長時間残業させるのです。
「正社員を雇うと社会保障費もかかるし、高い給料を支払わないといけないのでなるべく雇いたくない。」
これが企業の本音です。
ですが、残業代なしの長時間残業(サービス残業)は、実質的には賃金の引き下げを意味しているのにもかかわらず、ほとんどの労働者が気付いていないのが実情です。
長時間残業が辛いならば、まずはこのことに気付かないといけないわけです。
正社員はなくなる?もうサラリーマンだけでは生きていくことができない決定的な理由ワケ

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企業の合理的選択により賃金が上がることは二度とない
ただ、こういったことに気付いている人も増えていき、これからは「残業代なしで長時間タダ働きさせる」というのは社会的に批判の対象になってしまい、だんだん難しくなってくることでしょう。
そうすると、企業はどういう行動に出るか。
再び賃金をアップして高待遇を約束するのか。
答えは否です。
今でもそうですが、企業はさらなるコスト削減のため、従業員の賃金を下げるか、解雇をしやすくするために、正規雇用を減らし非正規雇用を増やします。
また、安くで雇うことができる外国人労働者を雇ったり、より効率の良いAIやロボットに置き換えたりすることでしょう。
いずれにしても、企業は利益を上げるために「より安く労働力を買う」という方向で動いていくので、その流れが止まったり戻ったりすることは決してありえないことなんです。
したがって、日本人の約8割以上を占める会社員、いわゆる「サラリーマン」と呼ばれる労働者は、よほど優秀ではない限り、どんなに働いても給料は上がることはないと断言できます。
しかも、今の状況をじっと我慢しても状況が良くなることは決してありません。
むしろ、先になればなるほど、労働環境はさらに悪化していきます。
このままだと、多くの日本人のサラリーマンがアルバイトや日雇い労働と同じ水準の待遇と賃金になっていき、現にこれは現在進行形で進んでいっています。
終いには「正社員」という雇用形態や「会社員」、「サラリーマン」という言葉は過去のものとなり、これらは死語となっていくことでしょう。
時代も平成から令和に移りましたが、さすがに日本人も、もう「サラリーマン」という働き方には見切りをつけ、別の働き方や稼ぎ方を模索していかなければならない時期に入っていると思われます。
「サラリーマン=一番安定」から「サラリーマン=危険」に
といっても、現在「サラリーマン」をやっている人の多くは、今の仕事に本当の満足感を感じておらず、どちらかというと、最初から「生きていくため」にサラリーマンになったのでないかと僕は思います。
そうであるならば、もう、この「サラリーマン」という職業の未来が暗くなった今こそ、サラリーマンから足を洗う時期に来ているのではないのでしょうか。
確かに今の仕事や給料にとても満足していて、毎日とても幸せに働けているのならそんなことは考える必要はありませんが、今やっている仕事が今後の人生においての幸せにつながらないと分かっていながらそれでも惰性で続けていくのは、一生を懸けて「100%報われることのない無駄な努力」に投資をしているようなものだからです。
無駄で努力とも言えない努力に限りあるお金と時間、それに労力を費やしても、損失が増大するだけでそこからリターンはこれっぽっちも生み出しません。
むしろ、費やせば費やすほど、損失は膨れ上がり、しまいには人生そのものが破たんしてしまいます。
自分にとって何が重要で、逆に何が重要ではないのかは、他人には全くもって分かりません。
それは、たとえ、他人にとって有意義だあると思われている職業であっても、自分にとって無駄だと思えばその職業は結局無駄なのです。
〈最後に〉自分の人生は自分で選んで生きていく
自分が限られた自分の人生において何を選ぶのかは、自分が最も夢中になれるものを選ぶべきで、そこに他人の意見や世間の価値判断を持ち込むべきではないと僕は強く思うわけです。
これに当然仕事も果てはまるし、ほとんどの人は人生の大半を仕事に費やすことになるので、
「仕事が充実している=人生が充実している」
となります。
そして自分が夢中になれることを自ら選ぶというのは、言い換えると「自分の人生を自分で選んで生きていく」ということになり、僕はこれが人が幸せに生きるために必要なものなんだと思います。
これができるかどうかで、自分がこの世に生まれ生きていることに価値があるかどうか決まっていくし、自分のしたいことをしてその中で生きていけるのであれば、それが最も幸せで充実した人生であるということができることでしょう。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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