輝かしい未来が消えた現代はそれぞれが自分なりの幸せを模索するしかない

自分なりの幸せ

こんにちは。うつ病ブロガーのだいだいです。

いきなりですが、あなたは幸せですか?

食べ物や家電製品等、有り余るほどありとあらゆるモノが溢れ、技術も発達し誰もがスマートフォンを持つ時代となった現代。

戦後すぐの時代の生活と比べると格段に便利になったにも関わらず、日本人の幸福度というものは戦後すぐとあまり変わっていないどころか、逆に下がっているという調査結果もあります。

その理由には様々な要因が考えられると思いますが、僕が一番思うのは、経済状況や働き方も含め、そのような時代の変化につれて「一体どうやったら幸せになれるのかわからない人」が増えたからだと思うんです。

今回はなぜ現代人が幸せを感じにくくなったのか?

僕たちがこれから幸せに生きていくにはどうしたらいいのか?

ちょっと考察してみたいと思います。

目次

一つの目標に向かって頑張れば希望が見えた時代

geralt / Pixabay

ご存じのとおり、日本は焼け野原になった戦後から高度経済成長期という、目覚ましい復興・成長を遂げました。

僕は当時を生きていないのでわかりませんが、この時代は国民の誰もが「目標に向かって一生懸命頑張れば必ず幸せになれる」という確信があった時代だと思うのです。

実際、何もなかったところにビルや道路、水道などの建設物や社会的インフラが生まれるのは何事にも代えがたい感動の瞬間であったと思うし、冷蔵庫や洗濯機、エアコン、テレビなど新製品が登場するたびに生活が断然便利になっていくのを肌身で感じられる時代でした。

そして、たくさん勉強して、できるだけ大きな会社に入り、そこで頑張って働けば、将来の幸せが約束されているも同然の時代でした。

そうやって会社での仕事を頑張れば頑張るほど給料も比例して上がっていくのが確信できたので、多少仕事が辛くてしんどくても頑張ることができたし、車を買って、結婚して、家を建てて、子どもを産んで・・・というのが国民誰もが目指すべき「幸せのステータス」のようになっていたんだと思います。

まさに当時はこれが幸せになるための王道でしたし、すべての人にとって「正解」でした。

このような時代では幸せになるためにやるべきことが明確で、具体的には偏差値の高い学校に入り、大企業に就職さえできればそれだけで人生の勝ち組であったし、その難易度も今ほど難しいものではありませんでした。

家や車を買うというのも幸せの象徴であったし、結婚や出産も然りです。

輝かしい未来に向かって誰もが頑張ることができる、高度経済成長期はそんな時代だったのではないでしょうか。

頑張っても報われない人が増えてきた

marusya21111999 / Pixabay

そんな時代も終わりを迎えます。

それはバブル経済が弾けてからの1990年代以降。

この時代でも当初は「目標に向かって一生懸命頑張れば幸せになれる」というのを信じている人がまだ多数派だったと思いますが、経済成長が鈍化してからは、これに疑問を持ち始める人が出てきました。

その主な理由は「働いても働いても一向に豊かになれない(どころか貧困になる)」人が増えてきたからだと思います。

経済成長率の低下でマイナス成長が続いているのもそうですが、これに拍車をかけたのが非正規雇用制度で、非正規雇用の人が増えるにつれ、給料は上がらず「頑張っても報われない(でも頑張らばないと貧しくなって生きられない)」と考える人が増えてきました。

要するに社会に余裕のない人が増えてきたのです。

こうなると、日本の雇用慣習は流動性が少ないため、新卒で就職活動をする年の景気状況で正規か非正規か半分決まってしまうものになってしまいました。

それでも2000年代前半には「ブラック企業」や「社畜」などという言葉はまだなかったですし、当時正社員であった人のほとんどがいきなり非正規雇用になったわけではなく、新卒採用が雇用の調節弁となり、新しく正社員になれる門が狭くなっただけなので(いわゆる就職氷河期)、ここでは逆に「正社員であれば勝ち組」という風説が強まった時代でもあると考えます。

そうすると、正規か非正規かで身分による世代内での収入格差が固定されてしまいますし、さらにはこれまであった世代間格差もどんどん広がっていきました。

しかし、この間にも技術は進み、インターネットというものがパソコンのみならずスマートフォンの普及により、万人にとって最も身近なものとなっていきます。

自分なりの幸せを模索する人の登場

こうやって、身分や格差・収入が固定されると、「もうどれだけ頑張っても無駄なんだ」と考える人も出てきました。

そうするうちに日本の雇用環境はさらに悪化し、ブラック企業や過労死が蔓延する社会になっていき、それに比例してうつ病等の精神疾患の患者も増えていきます。

さらにはこれまで高みの見物であった大企業の正社員でさえも、グローバル化やIT化の波にさらされ、統合や買収、経営不振に起因するリストラの危機すら出てきて、たとえ正社員であっても決して安心していられる立場ではなくなりつつなってきています。

自殺者数も日本では年間2万人以上と他の国と比べても特に多いですし、こうなると日本社会では、一体何が正解で何を目標にして生きていけば良いのかがわからなくなってきた人が多くなってきている印象です。

このような状況を見て、今までは「幸せのためにがむしゃらに頑張る」と思っていた人でさえも「一体何のために頑張ればいいんだ?」とだんだん思うようになっていき、昔の幸せの定義や意味というものが薄れているのです。

昔よりはるかにモノが溢れていて便利な時代を生きている現代人が幸せを感じにくい理由っていうのは、まさにこの現代社会の閉塞感にあると僕は思うんです。

「こんなに頑張っているのに一向に幸せになれる予兆がない・・・

「どうすれば自分が幸せになれるかわからない・・・

「自分は一体なんのために頑張っているのだろう?」

そしてこんな閉塞感の漂う社会の中では「もういくら頑張っても無理ゲーじゃないか」と悟った人から、「自分なりの幸せ」を求めて模索し、実際に行動し始める人がでてきました。

幸いにもスマホとインターネット技術の発達によって、誰もが自分の知りたい情報を得るのは容易になったり、気の合う人とつながりやすくなったりと、価値観の多様化も進んできています。

そうやって自発的に自分なりの幸せの答えを求め、たとえば、田舎に移住してみたり、ブログを書いてみたりなど、従来の枠にとらわれない生き方や働き方を始める人がここ数年で急激に増えてきています。

そういう人の中では、モノを、たとえば車は「幸せの象徴」ではなく「単なる移動手段」と考え、見栄やプライドなんかよりも、利便性やコストパフォーマンスを重視します。

若者がモノを買わないと言われはじめて久しいですが、頑張っても収入が増えない若者の間では、モノを買うときも「今の自分にとって本当に必要なものかどうか」と、よく吟味して考え、支出に対してシビアになっているものとみられます。

仮想通貨に若者が熱中するワケ

そんな閉塞感漂う雰囲気の中、技術の発達はめまぐるしく、ビットコインをはじめとした仮想通貨が発明されました。

仮想通貨は株のように値動きが激しいので、投機の対象として稼ごうとする人が相次いで参入しています。

仮想通貨はネットにつながったスマホが1台あれば誰でも購入することができるので、新しいもの好きの人、特に若者の間で流行り、一気に億り人ともいわれる大金を手にした人もいます。

そんな中、ある調査では仮想通貨の取引量は日本が一番多く、年代別にみると仮想通貨を購入したことがある人は20代が最も多くなっており、特に日本の若い世代に人気となっています。

ビットコインが買われている国別シェアは、1位日本(52.17%)、2位米国(37.37%)、3位ヨーロッパ(4.08%)、4位韓国(3.98%)、そのほか(2.4%)となります。

出典:ビットコイン(Bitcoin)の取引量は?国別にみる取引量推移や日本が一位の理由

「モノをあまり買わなくて支出には敏感になっている若者が、損する可能性のある仮想通貨を買うとは一体どういうことなんだ?」

しかし、仮想通貨が若者に人気な理由というのは、若い人の方が新しいものを受け入れやすい傾向があるというのもありますが、ただ単に「大儲けしてやるぞ!」ではなく、「もしかしたら人生逆転できるかもしれない・・・!」という彼らの切実な願望の表れなのではと思うんです。

いわば「ワンチャンあるで」という感じ。

そうやって閉塞感漂う社会にいる「どうすれば幸せになれるかわからない」日本の若者の心を惹きつけたのが、流星のごとく現れた仮想通貨ではないでしょうか。

最後に

kellepics / Pixabay

これまで見てきたとおり、輝かしい未来が消えた現代では、昔のように誰もが共通した目標に向かって頑張ることが万人にとって無意味となり、自分なりの幸せを各自で模索して行動しなければ幸せにはなれない時代になっています。

そのような時代に大事になってくるのは、みんなが良いと言っているから価値がある「相対的価値」ではなく、自分が良いと思ったから価値がある絶対的価値なんだと僕は思います。

ただ周りと一緒に同じことをして頑張っているだけでは決して幸せになれない時代。

そんな時代に幸せになるためには、「自分が何に価値を感じるのか?」「自分は何をしているときが楽しいのか?」それが自分だけの価値であって、ほかの誰でもない自分だけの「絶対的価値」を模索・追求し続けることではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

〈参考文献〉

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