この記事は僕が2014年5月4日に和歌山県和歌山市加太にある友ヶ島に行ってきた時の旅行記です。
友ヶ島とは
友ヶ島とは和歌山県和歌山市の加太(かだ)に属し、和歌山と淡路島の間の紀淡海峡に浮かぶ4つの無人島群の総称です。
瀬戸内海国立公園に指定されており、沖ノ島・地ノ島・虎島・神島の4島を総称して「友ヶ島」と呼ばれています。
インターネット上ではこの友ヶ島の沖ノ島にある要塞跡がスタジオジブリの映画『天空の城ラピュタ』に登場する天空の城に似ていることから話題となり「ラピュタの島」とも呼ばれています。
友ヶ島は現在無人島ですが、沖ノ島と虎島には船を利用して立ち入ることができます。
そしてネット上で話題になったことから現在では若者を中心に多くの人が訪れる観光地となっています。
この記事では僕が話題になり始めた頃に友ヶ島に行ってきた様子や感想をまとめようと思います。
加太駅から加太港へ
南海難波駅から電車で約1時間、和歌山市駅で南海加太線に乗り換え約25分で加太駅に到着。
加太駅は南海加太線の終点ですが小さな駅です。
さらに加太駅から徒歩で約20分。
友ヶ島への定期便が出ている加太港へ向かいました。
駅から加太港までは住宅街を海の方へ抜けます。
ここまでの道は少し入り組んでいて少し分かりにくいので地図を見ながら進みました。
いかにも田舎の港町という印象を受けます。
船が出ている加太港も道路の橋の下にあり分かりにくいので初めて行く人は注意が必要です。
この写真の奥に見える島が今回の旅の目的地である友ヶ島です。
事前に船の運航時間を調べ、11:00発の船に乗ろうと思っていた僕は加太港に10:30分頃に到着したのですが、何しろこの日はゴールデンウィーク真っ只中の日曜日。
僕が港に到着した時はすでにざっと見て400人ほどが友ヶ島行きの船を待っていました。
写真を見ていただくと分かると思いますが、橋の下には多くの人が行列を作っています。
(こんなにたくさんの人が来てるとは…ネットの影響ってすげー)
当日乗船の整理券が配られていたのでそれを手に入れた僕は順番がくるまで加太の港町を散策することにしました。
船の定員は100人。所要時間は片道15分~20分ほどなのでこれぐらいの人数だと船に乗るまで3時間ほどかかるのではないかと思いながらも僕は待つことにしました。
途中、あまりの人の多さと待ち時間に諦めて帰っていく人もちらほら見かけましたが、僕は3時間もかけてはるばるやってきたのでここで引き返す選択はありえません。
いざ友ヶ島へ
結局待ち時間は2時間弱だったのですが、この日船は出航時間と関係なくピストン運航していたためもあってか思ったより長く感じなかったです。
それよりこんなに人が押し寄せる観光地ってどんな所だろうとわくわくしながら待っていました。
整理券を乗船券に引き換え船に乗船。
たくさんの人で船が沈んでしまわないか心配になるほどでしたが、約20分のクルーズは潮風と潮騒がとても気持ち良かったです。
だんだんと船が友ヶ島に接近。船からは岩肌が露出している島を見ることができました。
野奈浦桟橋に到着
船が到着したのは友ヶ島の玄関口、野奈浦(のなうら)桟橋です。
僕を含め、多くの人が友ヶ島へ上陸するのを待ちわびていました。
いよいよここから冒険の始まりです。
ここは友ヶ島への船の唯一の発着所で奥は広場になっており案内所や売店もあるのでこの野奈浦広場を拠点に探索の予定を立てるといいでしょう。
船に乗る前にパンフレットがもらえますが、ここの案内板に友ヶ島全体の地図や見どころ・距離や所要時間も書いているので参考にしてみて下さい。
第2砲台跡へ
まずは野奈浦広場から西へ向かい、第2砲台跡を目指します。
道は海沿いに面しており整備されていますが、写真のようななだらかな登り坂が続きます。
海の向こうには淡路島を望むことができます。
徒歩で約20分。第2砲台跡に到着です。
そしてこちらが第2砲台跡の写真です。
終戦後に爆破処理されたため崩れていますが、それが逆に迫力のある景観となっています。
内部は危険なので中には入れませんが、崩された砲台がそのままになっていることやツタが砲台跡に絡まっていることから長い歴史を肌で感じ取ることができました。
友ヶ島灯台へ
第2砲台から島を南へ約10分ほど進むと友ヶ島灯台が見えてきます。
この灯台は明治5年(1872年)に日本で8番目に建てられた洋風建築の灯台で現在も稼働中です。
灯台の側には気象庁のアメダス観測器もあります。
台風の時など何メートルの最大瞬間風速が和歌山県の友ヶ島で観測されたとニュースでよく聞きますが、ここが観測所となっています。
この灯台の西側は広場になっており、東経135度の日本標準時子午線が通っていることから「子午線広場」との名称がつけられています。
灯台からさらに南へ向かうと岩場の海岸(孝助松海岸)になっており、潮だまりができていることから、貝やカニ、小魚などの観察ができます。
近くにはキャンプ場もあります。
旧海軍聴音所跡へ
キャンプ場から約15分。影のない海岸絶壁の山道を進んでいきます。
こちらは旧海軍聴音所跡です。
この施設は潜水艦などの侵入を察知するために造られた施設です。
こちらは建物の中へ入ることができ内部の状況を見ることができます。
この先は行き止まりになっているので僕は元きた道を引き返します。
タカノス山展望台へ
次は友ヶ島の最高峰であるタカノス山展望台を目指します。ここからは山道が急な上り坂となり、景色も鬱蒼としてきます。
山道を進んでいると時々木の葉から毛虫が落ちてきますので、虫が苦手な方は注意が必要です。
展望台へ登ると紀淡海峡を見下ろすことができ淡路島の他、六甲山系や和泉山脈、四国の山々を眺めることができます。
ベンチもあるので僕はここで昼食を摂りました。
第3砲台跡へ
昼食を摂った後は、展望台のすぐ南にある友ヶ島最大となる砲台跡、第3砲台跡へ向かいます。
友ヶ島内には第二次世界大戦まで使用された6つの砲台跡がありますが、この第3砲台跡が最大の規模で友ヶ島のいちばんの見どころです。
この第3砲台の景観が「天空の城」や「ラピュタの島」と呼ばれる所以(ゆえん)となったのでしょう。
苔やシダに覆われたレンガ造りの要塞跡がなんとも非日常的な景色を醸し出しています。
一緒に船で来た観光客が物珍しそうにたくさんの写真を撮っていました。
友ヶ島に来たならこの第3砲台跡は絶対に見ておくべき場所です。
そして写真のように随所に階段や入口があって建物の内部には入ることができます。
まさにゲームのダンジョンに出てくる下り階段みたいですね。
内部は真っ暗で闇に吸い込まれるような錯覚を起こします。
要塞の内部を探索するには懐中電灯かライトが必須となります。
僕はiPhoneのライトで足元や頭上を照らしながら奥へ奥へ進んでみました。
内部は複雑な構造となっています。
建物の中に入ると涼しく少し不気味な感じがします。
そして気持ち悪い虫が壁や天井に無数に張り付いていました。
一緒に探索していた女の子たちは気持ち悪い虫に対して悲鳴をあげていましたが、僕は内部をくまなく探索しました。
虫が苦手な方は無理に要塞内部へ無理に入ることをおすすめはしませんが、そうでない方は懐中電灯やスマートフォンのライトを利用してぜひ内部へ入り自然と人間が造り出した景観を全身で感じとってくれたらなあと思います。
南垂水キャンプ場へ
第3砲台跡を十分に楽しんだ僕は山道を東へ30分ほど歩き、南垂水キャンプ場へ立ち寄りました。
こちらは芝生に覆われた広場となっており海を見渡すことができます。
僕が訪れた時はキャンプをしにテントを建てている人がいました。
案内センターへ事前に連絡をすることでキャンプもすることができます。
破壊された砲台跡もありこちらもゲームに出てくるような風景で非日常的な気分が味わえます。
野奈浦桟橋へ戻る
南垂水キャンプ場から北へ徒歩約20分。
友ヶ島発の帰りの船に間に合うように野奈浦広場へ戻りました。
しかし帰りもたくさんの人で積み残しが発生し結局次に出航する船まで待つこととなりました。
さらば友ヶ島
船に乗り込み僕は友ヶ島を後にします。
帰りの船は行きと異なるルートで戻ります。
僕は船の甲板の角にいたのですが潮風と水しぶきがとても気持ち良かったです。
20分ほどで加太の港町に戻ってきました。
感想
僕の感想は恥ずかしながら当時ツイッターでつぶやいた時のものを貼っておこうと思います。
友ヶ島良かった〜!めっちゃ感動!!気持ちのいい自然と潮風、ラピュタの世界の砲台跡、普段の生活では体験できない非日常の空間やった!朝5時に起きて、3時間かけて、しかも船に乗るのに2時間も待った甲斐があったぜ(^o^) pic.twitter.com/ZdEMP5jjgW
— 大ちゃん♂@相互フォロー(回復期) (@daidai_27) 2014年5月4日
ここにくると誰もが一度は憧れるゲームの主人公のような非日常な空間を楽しむことができます。
今回は時間や潮の満ち引きの関係上虎島までは行くことができなかったのですが、次に来る時は虎島まで渡ってみたいです。
この記事を読んで友ヶ島へ行こうと思った方へ
友ヶ島は意外と広く高低差もあるので登山の装備とまではいかなくてもそれなりの靴や服装(ハイキング程度)で行った方が良いと思います。
さらにそれぞれの名所を周る場合かなり歩くこととなりますので、特に夏場など暑い時期は水分補給と休憩をこまめにとっていただけたらなあと思います。
そして時期によって船の運航時刻や込み具合が異なりますので、事前に調べてから行っていただけたらなあと思います。
詳細情報
参考和歌山市観光協会
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