こんにちは。うつ病ブロガーの大ちゃんです。
僕は今年でうつ病になってから4年になるのですが、今回はうつ病になる前の過去の僕のような、「現在、鬱っぽくてしんどい人」に向け、実際にうつ病になった僕が伝えたいことをまとめていこうと思います。
なお、今回は長めの記事になりますが、現在進行形で鬱っぽいという人には少しでも参考になる部分があると思うので、最後まで読み進めていただければ幸いです。
うつ病はもはや珍しい病気ではなくなった
まず、

もしかして自分はうつ病かも?
と思ったら、最初にうつ病についての事実を知ることが重要だと思います。
というのも、実際、うつ病になる直前およびなった直後というのは、ほんとに目の前のことしか考えられなくなり、視野がとっても狭くなってしまうんですよね。
例えば、仕事が忙しかったら仕事の事だけで頭がいっぱいいっぱいになって、他のことを考える余裕がなくなってしまいます。
だからこそ、まずは「うつ病」というのがどのようなものであるのか、うつ病についての事実関係をざっくりとでもいいので知っておくのは非常に大切なことだと僕は思うんです。
事実①13人に1人がうつ病&100万人以上が医療機関にかかっている(2019年12月現在)
最初に、これはうつ病のことを何も知らない人が聞くと衝撃を受けるかもしれませんが、日本ではなんと「13人に1人」が生涯に1回はうつ病になり、今現在100万人以上がうつ病で医療機関にかかっています。
ちなみに僕がうつ病になった2015年頃にこのデータを見た時には、どこのサイトにもだいたい「15人に1人」・「100万人前後」と書かれてあったと記憶しているので、この4~5年の間にもうつ病の人は現在進行形で増加しているということを示しています。
事実②しかも5人に3人は医療機関を受診していない
しかも、うつ病と思われる人の5人に3人は病院を受診していません。
これを踏まえると、すでに100万人以上が病院に通っているとのことなので、医療機関にかかっていないうつ病の方を含めると、日本のうつ病患者数は少なく見積もっても250万人以上はいるのではと推計されます。
こうやって統計を見てみると、うつ病の患者数ってすごい多いと感じるのですが、あなたはどう感じますか?
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また、あなたは最近ちゃんと眠れていますか?
「眠れない」というのはうつ病の代表的な症状の典型例ですが、かなりうつ病っぽい症状が出ているけれど、精神科に行くほどでもないし、
「仕事が忙しいからなあ」
と思って放置している人も多いのです。
これは実はかなり怖いことで、もちろん病院に行かないことでこれからさらに症状や状態がますます悪化するケースがあるからです。
しかし、病院に行かないというのはそれだけではなくて、軽度なら薬でなんとかなる場合もあるかもしれないのになかなか薬を処方するところまでたどり着けないということでもあるので、

最近なんだか調子悪いなあ・・・
と思うのであれば、なるべく早いうちに病院に行ってほしいところです。
主なうつ病の特徴
次に、うつ病の主な特徴を紹介しておこうと思います。
特徴①うつ病は再発しやすい病気
まず、うつ病は再発率がとても高い病気です。
ですので、一度うつ病になり、ある程度の時間を治療に費やし続けて来て、

これでやっと治って元気になって社会復帰も果たしたのはいいけれど、またうつ病になってしまった・・・
というケースがとても多いんです。
ためしに、「うつ病 再発率」とインターネットで検索して検索結果の一番上に出てくる「同友会グループ」という医療機関の公式サイトから引用すると、
うつ病からの回復後に、再び症状が出現することを「再発」といいます。1回目、2回目、3回目の再発を経験した患者のその後の再発率は、それぞれ約50%、約70%、約90%と報告されており、再発を繰り返すごとにその後の再発の危険性がさらに高まります。
とあることから、うつ病はかなりの高確率で再発しやすい病気と言っていいでしょう。
特徴②うつ病は長期化する
また、うつ病は長期化するため、長い期間に渡っての治療が必要です。
「うつ病ドリル」というサイトが行った、うつ病の闘病期間に関するアンケート(うつ病が寛解するまでにどれくらいの期間を要したかを問うたアンケート)の結果を見てみると、
なんと、1位が29.3%で「5年以内」、次の2位でも21.3%で「3年以内」、そして「10年以内」や「11年以上」もそれぞれ6~7%ほどの割合があります。
これは、うつ病が数週間から数か月で寛解することはまれで、うつ病から立ち直り、無理することなく社会生活が送れるようになるには、平均してもだいたい5年前後はかかることを意味しています。
僕もこれを書いている時点でうつ病になってから4年が経ちましたが、ようやく日常生活が支障なく送れる日が2日に1日あるかどうかといった具合です。
このように、一度うつ病になってしまうと、うつ病になる前と同じような生活を送るのに5年や6年など、かなりの時間がかかってしまうので、もし今あなたが
「うつっぽくてしんどいなあ」
というのならば、この後の文章を先に読むよりも、すぐに精神科や心療内科を受診することをおすすめします。
うつ病になるのは特別なことではない~うつ病になる主な原因~
次に、うつ病になる原因についてちょっと見ていきたいと思います。
うつ病になる主な原因としては、
- 毒親、虐待、家庭内暴力等の家庭が主な原因のもの
- いじめ、パワハラ、就活ストレス、ブラック企業など、学校や会社が原因のもの
- 貧困、借金など、経済的な理由が原因のもの
- うつ病以外の身体的・精神的病気やアルコール依存症、ギャンブル依存症など、病気・依存症が原因のもの
などなど、
さまざまな原因があって、しかもこれらが一つだけではなく複合的に絡み合っている場合もあります。
また、誰もがこういったことに陥る可能性があることから、うつ病になるのは決して珍しいことではないのです。
僕もブラック企業で働き続けた結果、過労で倒れうつ病になりました。

まさか自分がうつ病になるなんて・・・
うつ病になる前は僕も、
「うつ病なんて自分には無縁なもの」
だと思っていましたが、今の時代は誰であっても生きているだけでうつ病になる可能性は十分あるのです。
うつ病にかかる人がこれだけ増えているというのは、今の日本社会がゆがんでいる何よりの証拠だと僕は思います。
日本ではちょっと失敗するだけでうつ病に
というのも、日本ではちょっと失敗するだけで落ちてしまう社会となっています。
例えば、何も知らずにクレジットカードがリボ払いにされていたため多額の借金を背負うことになったり、一度、詐欺の被害に逢っただけで貯金や財産を全て失ってしまったりなど、日常生活の中でも身近な事がきっかけとなり、人生が思いもよらぬ方向へ転んでしまうことがあります。
また、日本では、一度失敗すると立ちなおるのもかなり困難で、就活に失敗し正社員になれなかったらずっと非正規雇用のままというように、一度落とし穴にはまってしまうと現在の日本社会では格差が固定化される傾向となっています。
上記の原因に当てはまっていなくても、例に挙げたようなちょっとした失敗がきっかけで、誰でもうつ病になってしまう可能性があるのです。
ちなみにこれは自己責任とかその人の気持ちの問題とかそういった問題ではなくて、むしろ政治や社会の仕組みの部分が大きいがために発生する問題だと僕は思います。
どうすればよい?
では、自分がうつ病だと思ったらどうすれば良いのでしょうか?
ここからは実際にうつ病を経験している僕が「やってみて良かったこと」を5つ順番に紹介していくことにしましょう。
①病院に行く
まず、これはさっきの話の繰り返しにもなりますが、自分が「うつ病っぽいなあ」と思ったら、精神科や心療内科などの病院に通うことが大切です。
これは当たり前の話になるのですが、先ほども見てきたように、5人に3人は病院に行っていないという事実もあるので、鬱っぽく感じるのならば基本的にはまず病院に行かないとダメです。
というのも、うつ病の症状や状態は非常に多様で人それぞれのため、例えば、僕がうつ病経験者だからといって、僕からのアドバイスですべて解決できるような話ではないからです。
僕もうつ病について、いろいろなことを記事にしてこのブログに書いていますが、全ての人が僕のブログを読んでうつ病が治るかと言えばそんなことはありえません。
そもそも精神系の疾患はうつ病以外にもいろいろな種類があり、あなたも聴いたことがあるかもしれませんが、代表的な病例を少し挙げるだけでも、
- 躁うつ病(双極性障害)
- 統合失調症
- 社会不安障害
- 発達障害
などがあって、しかもそれが併発して複合的に絡み合っている場合もあり、自分はうつ病だと思っていたけれど実はうつ病ではなくて全く別の病気だったっていうケースもあり得るからです。
ですので、これを素人で判別するのは非常に困難で、自分自身がうつ病っぽいなあと思っていても、それがうつ病かどうか、また、原因が何であるのかというのを判断するのは不可能です。
したがって、自分がうつ病だと思ったら、まずはお医者さんに診断してもらうことから始めてください。
また、場合によっては薬が効く可能性もあるので、鬱っぽかったらとりあえず病院に行くことから始めていただければなと思います。
②周囲の支援やサポートを頼る
上記で見てきたように、今はこれだけうつ病の人がいて、もはやうつ病は誰もがなる可能性のある当たり前の病気になっているので、うつ病の患者さんをサポートする制度や機関も充実してきています。
無理して頑張るとさらに悪化する可能性もあるので、まずは周囲に支えてもらうといった姿勢が重要です。
社会的制度は全て無料で利用できる
社会的制度としては、例えば、
- うつ病の治療にかかる医療費が1割負担になる「自立支援医療制度」
- 働けなくなったときに給料の一部がもらえる「傷病手当金」
- 公共料金等の割引や税金の控除・免除が受けられる「障がい者手帳」
- そして、最終手段として「生活保護制度」も日本にはあります。
上記リンク先の参考記事は僕が自立支援制度について説明した記事ですが、こういったように、公な制度も様々なものがあるので、それぞれ申請手続きが必要で少し面倒ですが、これらをうまく活用するというのも重要ですし、他にも、
- 全国の保健所
- 市町村の精神保健福祉センター
- いのちの電話
- 地域の社会福祉協議会
- NPO法人
など、悩みの相談に乗ってくれるさまざまな相談機関もあり、しかもこれらは全て無料で利用できますので、しんどい時は一人で悩まずこれらの機関を頼っていただければなと思います。
また、ここで紹介した制度や施設・機関はインターネットで調べるとすぐに詳細を知ることもできるので、制度を利用したり相談を行う際は参考にしていただければなと思います。
家族・親せき、友人・知人に頼る
とはいえ、役場に行くとか、福祉施設に頼るなど、一人で全部するのにはハードルが高い部分もあると思うので、これは人によって頼りにくい場合もあると思いますが、家族をはじめ、親せき、友人、知人などにも頼れるなら遠慮せずに頼るということも重要です。
病院や役場に行くときに一緒についていってくれる人がいればそれが一番良いと思います。
やっぱり自分一人だけだとなかなかしんどい面もあるので、共に闘ってくれるパートナーがいればとても心強いです。
なお、逆に、間違ってもやってはいけないことは「何でも一人で解決しようとすること」です。
例えば病院に行くお金がないからといって、消費者金融(サラ金)に手をつけてしまうと、借金という新たな悩みや不安が重くのしかかってきてそれが悪循環となり、さらにうつ病の症状が悪化してしまいます。
上記に紹介したように公的な保証制度や相談機関もたくさんありますので、たとえ家族や親せきが助けてくれなかったり、迷惑をかけるのが嫌だからといっても、決して一人で解決しようとすることだけは絶対にしないでください。
③本やブログを読む
いろんな人のストーリーを知ってみる
これは僕の経験によるもので、全ての人に当てはまるかどうかは分かりませんが、本やブログを読むのはうつ病の治療にも良い影響があったのかなと思います。
僕もうつ病になってからはいろんな人が書いたうつ病についての経験談が綴ってあるブログやサイトを色々と読み漁っていたんですよね。
ですので、僕のブログをはじめ、色々な人の経験談を読んでみると良いと思います。
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と言っておいて言うのもなんですが、うつ病の急性期だと本やブログの長文を読むのもしんどくなるし、内容がなかなか入ってこないというときだってあります。
そのため、最初は漫画なら読みやすいかなと思います。
元々漫画が好きな方は自分の好きな漫画を読んでもいいと思いますが、実は今はうつ病関係の漫画もたくさん出ているので、この機会にぜひ読んでみることをおすすめします。
例えば、今一番売れているうつ関係の漫画で言えば、『うつヌケ』という漫画があります。
この漫画の内容を少し紹介すると、著者で漫画家の田中圭一さんという方(著者自身もうつ病を経験)が、いろんなうつ病患者さんを取材し、その取材の内容をを漫画で描いたものとなっています。
そして、それぞれの患者さんのストーリーや経験談を漫画で気軽に知ることができるようになっており、うつ病でもかなり読みやすくなっているのでおすすめです。
④うつ病の症状は千差万別なので自分に合った治し方を見つけることが重要
ただ、これまで述べてきたとおり、うつ病の症状や状況っていうのは千差万別で、うつ病の症状がどんなものか表そうとしても、もう、一つにまとめることができないくらい症状はまちまちです。
ですので、病院や薬、そして上記で紹介した本やブログなども全て含めて、自分にあった治し方や自分に合った言葉を見つけるというのは大切なことなのかなあと思います。
紹介した漫画やいろんな人のブログを読んでみると、もしかしたら自分にあったいい治し方に出会えるかもしれませんし、いろいろなストーリーを知ってみるのは意外と重要なのではと思います。
もちろんそれは体調と相談しながらになりますが、個人的には漫画やブログでうつ病について学んでみるのは結構おすすめな方法なのかなと思います。
⑤頑張らないことを頑張る
最後になりますが、
「無理をしない」
そして、
「ひたすら休む」
これが今回紹介する方法で一番大事なことかもしれません。
ですが、人間って休んでいるとどうしても動きたくなってしまうものです。
さらに、家事や仕事・勉強ができないとなると、どうしても罪悪感を感じてしまうものなので、実はこれが一番難しいのかもしれません。
ただ、無理をしないというのもけっこう頑張らないとできないものなので、「頑張らないことを頑張る」ことをいつも心掛けると良いと思います。
また、これはうつ病に限った話ではありませんが、基本的に病気は休んで治すしか方法はないと思うんですよね。
僕も調子が悪くなったらすぐに休むことを心掛けているのですが、基本、病気を治すには寝るしかないと思うんです。
うつ病の治療は無理はせずに休みながら時間をかけて徐々に治していくというのが基本になるので、ここで「頑張る」というのも変ですけど、あせらずのんびり自分のペースで無理することなくほどほどに頑張っていくというのが一番だと思うんです。
ここまでのまとめ
まとめ①うつ病になるのは恥ずかしいことでは全くない~まずは病院へ~
風邪は生きていれば誰でもひくように、うつ病も生きていれば誰でもなります。
うつ病は風邪と同じように「当たり前」の病気なのです。
たまに精神科に行くことが恥ずかしかったり、そもそもうつ病になったことが恥ずかしくて誰にも相談できずに1人で解決しようとする人もいるようです。
しかし、病院に行って適切な治療をしないと治らないし、誰かの助けを借りないと生活するのにもかなりしんどいです。
おまけに上記で述べてきたように、症状が更に悪化する可能性が高くなります。
うつ病は風邪やインフルエンザと同じくれっきとした「病気」ですので、ちゃんと病院に行って周りのサポートを受けるようにしてください。
まとめ②うつ病の診断はプロの医者でも難しい
また、うつ病の診断はプロであるお医者さんでも難しいです。
例えば、最初はうつ病と診断されたのに、治療が始まってしばらくしたら躁うつ病に、そしてしばらくしたら不安障害だったというように、診断自体がコロコロ変わることも珍しいことではありません。
複数の病気が合わさっていることもあるので、やはり自己診断はせずに専門の医療機関で診断してもらうことが大切です。
まとめ③自分にあった回復方法を見つけよう
病院に通い、周囲のサポートを十分に受けられる環境になって初めてうつ病の治療が始まります。
最初の急性期と呼ばれる時期は起き上がるのもしんどいくらい辛いものですが、そこを乗り越えると回復期に入っていきます。
この回復期の過ごし方がけっこう重要で、ここで無理をし過ぎるとうつ病がかえって悪化し、治療も長期化します。
僕がおすすめするのは、少し元気になったら、自分が楽しいと思うことから始めてみることです。
〈最後に〉うつ病は自分を再調整して人生を見つめ直す重要な期間
うつ病との闘病中は自分と社会との調整、また、うつ病になった自分と理想の自分との折り合い、もっといえば自分自身の人生について再考する期間だと僕は思います。
場合によっては生き方や働き方など、環境を大きく変えることを余儀なくされるケースもあります。
だけど、うつ病の治療中の時間も、一生という大きなスパンで見ると決して無駄ではないので、まずはうつ病というものを徐々に受け入れていくことがうつ病を治す近道だと僕は思います。
もちろん無理はせずに長い時間をかけて、あせらずのんびり自分のペースでゆっくり頑張らないことを頑張っていけばそれで良いのです。
少し長くなりましたが、以上が現在鬱っぽくてしんどい人に実際にうつ病の闘病中である僕が伝えたいアドバイスとなります。
最後にもう一度まとめておくと、
- 病院に行く
- 周囲の支援やサポートを頼る
- 本やブログ、漫画などを読んでいろんなストーリーを知ってみる
- 自分にあった治し方を見つける
- 頑張らないことを頑張る
の5つとなります。
この記事が少しでもうつ病気味でしんどいと感じているあなたの参考になれば嬉しいです。
長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。
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