「もう働けないかもしれない…」——
うつ病で寝たきりになったあの日、僕は未来への希望を完全に失っていました。
収入がない、体も動かない、社会とも切り離されたような日々。
それでも、あるきっかけを境に、自宅で“月5万円”を得られるようになった僕の小さな軌跡があります。
この記事では、うつ病で何もできなかった僕が、「動ける5分」から始めて、少しずつお金と自信を取り戻していった“全記録”を正直に綴りました。
- 「同じような状況で悩んでいる」
- 「動けないけど何か始めたい」
- 「少しでも収入を得たい」
そんなあなたにとって、“自分にもできるかもしれない”と思えるヒントになれば幸いです。
目次
はじめに:この記事は「過去の僕」へ向けて書いています
この記事は、過去の僕——
「うつ病で寝たきりになり、何もできなくなった自分」へ向けて書いています。
当時の僕は、起き上がることすら難しく、毎日が「息をするだけで精一杯」な日々でした。
そんな状態の中、「働く」「稼ぐ」といった言葉は、まるで遠い別世界の話のように感じていたのです。
でも、もしあのときの自分が、いまの僕の姿を知ったら——
少しだけ、希望を持てたかもしれません。
この記事では、うつ病で動けなくなった僕が、「月に5万円」という小さな収入を得るまでの全記録です。
派手な成功談ではありません。
でも、同じように苦しむ誰かにとって、「小さな一歩のヒント」になればと思い、すべてを包み隠さず書くことにしました。
読む人の心に、少しでも光が届くように。
そんな願いを込めて、これから綴っていきます。
うつ病で寝たきりだった僕の現実
一日中ベッドから起き上がれなかった日々
うつ病と診断されたのは、2015年の7月。
涙が止まらなくなり出社することができなくなりました。
その時から僕は朝起きるのが怖くなり、布団の中で1日を終えるようになっていました。
「何かをしなきゃ…」と思っても、体が重たくて動かない。
電話やメールの通知音すら怖くて、スマホを見ることすらできなくなりました。
食事は一日一回、トイレに行くのがやっとの日もあった。
寝ていても疲れが全く取れず、「このまま目が覚めなければいいのにな。」と本気で思っていた時期もあります。
誰にも会いたくない。
誰にも見られたくない。
でも、誰かに助けてほしい——
その矛盾が、余計に自分を追い込んでいきました。
「働かなきゃ」がプレッシャーになる地獄
会社を休職したのちしばらくして退職したので僕は無職になりました。
働き過ぎがうつ病になった一因でもあったし、これ以上職場に迷惑をかけるのが申し訳ないと思ったからです。
ですが退職したので次の月から収入はゼロ。
心療内科への通院のため、貯金も減っていく現実。
だけど身体が重くて働くどころか日常生活もままならない。
同期や学生時代の友達は今頃一生懸命働いている。
なのに自分は平日も休日も1日中布団の中。
現実は容赦なく押し寄せてくるのに、何もできない自分が情けなく感じて僕はどんどん人生に絶望していきました。
「お金を稼がないと生活できない」
「でも、働ける状態じゃない」
この2つの矛盾は、僕にとって毎日を生きるだけで精一杯な状態を、さらに苦しいものにしていました。
周囲からは「とにかく休んで」と言われました。
でも、現実は休めば休むほど、経済的にも精神的にも追い詰められていくーー
この時期の僕にとって、「収入を得る」というのは、まるで山のてっぺんにある星を掴みに行くようなもの。
それでもどこかで、「何か自分にできることはないか」と心の片隅で思っていました。
その小さな思いが、少しずつ変化を生んでいくことになるのですが——
それは、次の章でお話しします。
ある出来事がすべてを変えた
とあるブログ記事に救われた瞬間
ある日、ベッドの中でなんとなくスマホを開き、「うつ病 寝たきり 働けない」などとネット検索して見つけたブログ記事にふと目が止まりました。
そのブログ記事にはこのような文章が書かれていました。
「寝たきりでも、自分のできることから在宅で収入を得られた。月1万円だけで生活はできないけれど、心が救われた。」
その一文が、僕の心に刺さったのです。
それは、誰かの“成功談”というより、「過去の自分と似た状況だった人」が「少しずつ変われた」という、生の声でした。
正直、最初は「自分には無理だ」と思いました。
「この人は恵まれているんだな」と嫉妬心さえ感じていました。
でも、どこかで「もしかしたら、少しだけなら自分にも真似できるかもしれない」と感じたのも事実です。
うつ病になってからというもの、目に入る情報はどれも遠くかけ離れて感じていました。
けれどその投稿だけは、「同じ苦しみを味わった人が語っている」という安心感があった。
“できることから始めていい”
そう思えた瞬間でした。
「収入=外に出ること」だけじゃないと気づいた
僕の中では、「働く=会社や職場に行く」「お金を稼ぐ=正社員・フルタイムで頑張る」という固定観念がありました。
だからこそ、体が動かない状態では「何もできない」と思い込んでいたのです。
でも、世の中には「外に出なくても、誰かの役に立てる仕事」がある。
体調に合わせて、1日10分でも取り組めることがある。
ブログで目にしたのは、そんな現実でした。
例えば、文章を書いて伝えること。
デザインやイラスト、簡単なデータ入力やレビュー投稿など、「大それたスキル」でなくても、求められる仕事は確かにある。
「外に出られないから無理」と思っていた世界が、ほんの少し、広がったような気がしました。
それから僕は、ベッドの中でできることを、少しずつ探すようになります。
最初の一歩は、ほんの小さなものでしたが、その一歩がすべての始まりでした。
僕が実践した小さな一歩たち
「動ける5分」を使った最初の行動
最初に僕が決めたのは、「1日5分だけ、何かに取り組んでみる」ということでした。
長時間の作業は無理。
集中力も続かない。
それでも、1日5分なら…と自分に許可を出したのです。
最初にやったのは、「ポイントサイトに登録してポイントを貯める」ことでした。
10ポイント、いや、1ポイントだけでもいい。
この“何をやるか”よりも大事だったのは、「やった」という感覚。
「今日もできた」が心の支えになり、少しずつ自己肯定感が回復していったのです。
やがて、それが10分になり、20分になっていきました。
焦らず、自分のペースで。
簡単な作業から始めた在宅ワークの具体例
ポイントサイトで自分のペースを掴みかけた頃、調子のいい日に、ブログ記事で知った「クラウドソーシング」のサイトに登録しました。
といっても、最初から仕事を取る勇気なんてなかったので、やったのは「プロフィールをちょっとだけ書く」こと。
翌週、試しに「簡単な文字起こし」の仕事に応募。
5分程度の音声で、単価は数百円。
でも、それでよかったのです。
「お金をもらって作業した」という事実が、自信になりました。
他にも以下のようなことを少しずつ試しました。
- アンケートサイトへの登録と回答(1日数円でもOK)
- ブログでの文章投稿
- SNSで発信された無料案件情報のチェック
- スキル不要なタスク系案件(レビュー、データ入力、投票など)
重要だったのは、「成果を急がない」こと。
うつ病の回復と同じで、何事も少しずつしか進まないと割り切っていました。
でも、やればやるほど、「自分にもできることがある」という感覚が生まれ、それが次の行動につながっていきました。
月5万円までのリアルな道のり
3,000円→1万円→3万円…少しずつ育てた収入源
次に得た収入は、ブログでの広告収入です。
最初の収益は41円でした。
しかもそれは一日で得たものではなく、数日かけてやっと書けた分。
それでも「自分の力でお金を得られた」という事実は、僕にとって大きな意味がありました。
そこから、ブログ記事を無理のないペースで少しずつ書き続けていきました。
「1日に100円稼げたらすごい」「今週は1件でも納品できたらOK」
——そんな感覚で日々取り組んでいたのを覚えています。
数か月後、月1万円を超えるようになった頃、「自分が苦手でない分野」を見つけはじめました。
僕の場合、それは「文章を書くこと」。
ブログの投稿が徐々に読まれるようになり、ブログからの問い合わせで「記事を書いてほしい」と依頼をもらうように。
自分の経験や考えが、少しでも誰かの役に立っていると感じられたことは、本当にうれしかったです。
やがて、僕のブログはたくさんの人に読んでもらえるようになり、伸びている記事のジャンルを独立させて単独のサイトとして運営するように。
気づけば、収入は月3万円、そして2年後には5万円を突破。
もちろん波はありましたが、「寝たきりだった自分が、どこにも雇われずに月に5万円を稼いでいる」という事実は、自分自身を支える大きな軸になっていったのです。
うつ病でも続けられた理由と工夫
一番のポイントは、「フルで働こうとしなかった」ことでした。
うつ病を抱えていると、日によって調子が大きく変わります。
昨日できたことが今日はできない。
そんな自分を責め始めると、すべてが止まってしまいます。
だから僕は、「今日の自分ができる範囲だけやる」と決めていました。
スケジュールも、ノルマも、なるべく決めない。
調子がいい日に集中して取り組み、無理な日は徹底的に休む。
また、次のような習慣を意識して取り入れていました。
- 作業時間ではなく「作業単位」でタスクを分ける(例:見出しだけ作る、導入文だけ書く)
- 「記録を残す」ことで達成感を可視化する
- 常に「やらないことリスト」を持ち、判断基準を明確にしておく
これらの工夫が、自分の“こころ”を守る助けになり、結果的に継続につながったのだと思います。
収入が5万円を超えたとき、僕は「やっと、自分で自分を養えている気がする」と感じました。
もちろん、それだけで生活はできません。
でも、心が前を向いたのは確かです。
理想とは程遠いけれど、「少しだけでも、人生を取り戻せたかもしれない」——
そう思えたあの瞬間を、僕はきっと一生忘れません。
今、僕が伝えたいこと
「今のあなた」にできることが、必ずある
うつ病になると、すべてが止まったかのように感じます。
自分の価値も、これまでの努力も、将来も、そして社会とのつながりも、全部が断ち切られたように思えてしまう。
僕も、そうでした。
でも、たとえ体が動かなくても、何もできないように思えても、「できること」は、ゼロではありません。
それは、1日5分だけ文章を書くことかもしれない。
布団の中でスマホから応募ボタンを押すことかもしれない。
SNSで誰かの投稿に「いいね」をつけることかもしれない。
たとえ小さな一歩でも、積み重ねれば、やがてそれが“前に進んでいた証拠”になります。
そしてその先には、ほんの少しだけでも「希望」と呼べるものが見えてくる。
僕がそうだったように、あなたにもきっと、「何かの糸口」は見つかります。
無理をしない働き方でも、希望は持てる
世の中には「頑張っている人」があふれています。
SNSを開けば、成果を出している人、前向きな人、キラキラした言葉ばかりが流れてきます。
でも、うつ病の回復には「頑張らない勇気」が必要です。
むしろ、頑張らないからこそ、自分を守れるし、続けられる。
僕が月5万円を稼げるようになったのは、「無理をしない選択」を重ねてきたから。
「働く=苦しいもの」ではなく、「働く=自分のペースで生きる手段」として捉え直したからです。
あなたのペースでいい。
誰かの真似をしなくていい。
小さな一歩は大きな進歩。
たとえ休みながらでも、止まらなければ、それは前進なのです。
おわりに:この記事が、誰かの支えになりますように
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
僕が経験してきたことは、特別なものではありません。
むしろ、もっと大変な思いをしている人もたくさんいると思います。
それでも、あの寝たきりの毎日を抜け出せた今だからこそ、こうして誰かに伝えたいと思えるようになりました。
「少しだけでも、生きやすくなるきっかけになれたらいい」
「明日がほんの少しだけでも軽く感じてもらえたら嬉しい」
この記事が、そんな“心の杖”のような存在になればと願っています。
もしあなたが、「自分にもなにかできるかもしれない」と思えたなら——
それだけで、この記事を書いた意味があったと、僕は思えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。