「あなたは今のままでいい、そのままの自分でいいんだよ」
ネットを見るとそんな言葉があちこちで飛び交っている。
たしかに正論だ。
無理して背伸びして生きてもしんどいだけ。
だけど僕は今でもこの言葉に、「なんとも言えない違和感」を覚えずにはいられない。
「今の自分が嫌だ」っていう人に、
「今のままで素晴らしい」という答え。
それってほんとの「優しさ」なんだろうか?
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本当のところ、「どーでもいい」って思っているだけなんじゃないか?
もっと言うと「優しい俺ってマジで良い人だしカッケーだろ!?」って自分に酔っているだけなんだろ?
そういうアンタは人生ラッキーなことに、
今日まで何の苦労もなく、これからも「今のままで満足に生きていけるから」そう言えるんだろうがよ。
だからって「そのままでいい」だなんて、全員に当てはまると思うなよ。
こっちはダメな自分に心の底から絶望していて、
今の自分の何もかもが嫌いで嫌いでしょうがなくて、
何度も何度も「死にたい」と思っているのに、
それでも完全には諦めきれない。
なのに、
「うつ病はうつ病のままでいい」
「ニートはニートのままでいい」
「引きこもりは引きこもりのままでいい」
そのままでいいんだよ。
十分素晴らしいんだよ。
だって?
ふざけるな。
んなわけねえだろ!
他人のことじゃねーんだよ。
どーでもいいと思ってるから
そう言えるんだろうがよ!
こっちはそれを認めてしまったら
それこそ人生終わりなんだよ!
ふざけんじゃねーよ!!
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うつ病で死にたがっていた時の僕が「そのままの自分でいいよ」という言葉を受け取って感じたのは、
こんな心の中からの最後の叫び。
だから今の自分が嫌いで嫌いで仕方なくてどうかしたくてもどうしようもできない人に、
「そのままでいいんだよ」なんて薄っぺらい言葉は1ミリも響かない。
そうであるからこそ、僕はあの時の過去の僕にこう言ってあげたい。
「あなたは強いよ。よく頑張ったね。」って。