「何もできない自分は、もう終わりだ…」
そう思って、何もやる気が起きない日が続いていませんか?
何度も挑戦しては失敗し、自信をなくし、動こうとするたびに「どうせまたダメだ」と、心の中で自分を止めてしまう――。
僕も、うつ病で働けなくなったとき、まさにそんな状態でした。
でもある日、「鎖に繋がれた象の話」を聞いて、心の奥底でなにかが変わったんです。
今日は、そんな話をあなたにシェアしたいと思います。
ある少年と象の話
あるところに、サーカスが大好きな少年がいました。
少年は巨大な象が登場するショーが大好きで、いつもワクワクしながらサーカスを見に行っていました。
ある日、少年はサーカスの舞台裏で、大きな象が足を鎖につながれたまま、じっと動かずにいるのを見つけます。
「あんなに大きな象なら、鎖なんて簡単に引きちぎれるはずなのに…なぜ逃げ出そうとしないんだろう?」
こう疑問に思った少年は、両親に聞いてみます。
「きっと、その鎖がとても頑丈だからじゃないかな」
でも少年は納得できません。
今度は学校の先生に聞いてみると、
「ちゃんと調教されてるからだろうね」
それでも少年はやっぱり納得できません。
少年の中に、ずっとモヤモヤとした疑問が残ります。
真実を知った少年
数日後、再びサーカスを訪れた少年は、思い切ってサーカスのスタッフに問いかけます。
「象は、どうして逃げようとしないんですか? 鎖なんて簡単にちぎれそうなのに…」
すると、スタッフはこう答えました。
「あの象はね、小さいころからずっと同じ鎖につながれているんだよ。
子どもの頃は力が弱くて、何度引っ張っても鎖はちぎれなかった。
必死に、何千回も何万回も挑戦したけど、全くダメだったんだ。
そのうちに、『自分にはできないんだ』って思い込んでしまったんだろうね。
今では、大きくなって、力もついて、鎖なんて簡単にちぎれるのに……
もう挑戦することすら、やめてしまったんだよ」
少年はその言葉を聞いて、静かにサーカス場を後にしました。
その表情は、どこか神妙で、そして少しだけ大人びて見えました。
「学習性無力感」という心の鎖
この話は、「学習性無力感」という心理学の概念をわかりやすく説明したものです。
学習性無力感とは、
「どれだけ頑張っても報われなかった経験を繰り返すことで、挑戦そのものを諦めてしまう心の状態」
のことで、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンによって、1967年に提唱された考え方です。
この無力感は、一度身についてしまうと、自分自身を縛りつけ、自由に動けなくさせてしまいます。
まるで、大人になっても小さな鎖につながれている象のように――。
僕たちを縛っているものの正体
うつ病になり、何をする気力もなくなる日々。
働けない、動けない、社会に戻れない。
そんな自分が情けなくて、「自分にはもう何もできない…」と思い込んでしまうこともあるかもしれません。
でも、もしかしたらあなたが「動けない」と思っているその鎖は、
もうとっくに、“引きちぎれるもの”になっているかもしれません。
あなたが過去に何度挑戦してもダメだった経験。
それが「もう無理だ」と思わせているだけで、
本当は、今のあなたならできることが、少しずつ、確かにあるのかもしれないんです。
おわりに|足を一歩、上げてみる
何も大きなことをしなくていい。
まずは、今日、ほんの小さなことから始めてみませんか?
たとえば、
- カーテンを開けてみる
- 好きな飲み物を用意する
- 気になる動画を1本見てみる
- このブログをブックマークする
たったそれだけでもいいんです。
あなたを縛っているのは、実体のある鎖ではなく、「どうせ無理」という思い込みかもしれません。
その鎖は、もう力を入れなくても、スッと外せる時がきっときます。
あなたがまた、ゆっくりでも自分の人生を歩めるように。
今日のお話が、ほんの少しでも心のどこかに届いたなら、うれしく思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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あなたの「一歩」が、誰かの「希望」になるかもしれません。